第436話 ダンスの後は一緒にお風呂に入ろうって言った結果のこのメンバーです
「ふう、良いお湯だぁ」
公爵就任パーティーが終わって、
今は広い広いお風呂に浸かっている。
(えっ、ダンスはどうだったかって?)
説明する程、大した内容は無かったんだけれどな、
一応ざっとどんな感じだったかというと……
<正妻側室>
ソフィーさん:あいかわらず見事な踊りで僕の動きは最小限に
ベルルちゃん:全体的に優雅、いつもより余計に揺れております
リア先生:切れが凄い、切れっ切れでついていくのがやっとというか無理矢理ついていかされる
エスリンちゃん:まだぎこちないが初心者ダンスといった感じで一息つけた
<愛人>
アメリア先生:身重なので一瞬立って形だけ
ミランダさん:それなりに優雅に落ちついて
キリィさん:お手本みたいなダンス
モリィさん:お手本みたいなダンスのパティーンその2
<準愛人>
ジゼルさん:ドワーフ式ダンス、なぜか最後は背中を横にして担がれた
エスタさん:ご本人曰く『町娘ダンス』思ったより動いてくれていた
サリーさん:なんだかごく普通、本人は百くらい憶えているらしいが一番地味なやつだとか
<娘予定>
アンナちゃん:振り回された
ベルベットちゃん:ヨダレでベットベトにされた
……といった感じで合計十三人と踊り、
さすがに疲れたうえ汗とヨダレでお風呂に入ります宣言をしてパーティーは終わった、
まあ、あれだけ踊った所で観客は同じ奥さん・愛人娘・かメイドさんたちだからね。
(一緒に入りたい方はどうぞ、と言った結果、僕の前に居るのは……)
「きゃーベルベットちゃんお湯でボール作って浮かせられるんだー」
「アンナちゃんもーーー、まりょくのれんしゅーしよーーー?」
「こらこらアンナ、ベルベットちゃんもあまりはしゃがないで」
とまあ娘ふたりにその片方の実母という……
僕の想い描いていたハーレムお風呂はどこへ行った。
(なぜ失敗、って言っちゃ目の前の三人に悪いな)
どうしてこうなったか遠い目を見ながら考えよう、
パーティーももうお開きってなった時に、もし僕が
『よし、この後みんなでお風呂に入ろう!』
と宣言していたらみんな付き合ってくれたかも、
現に正妻側室の四人とは一緒に入る事がそこそこあるし、
なんて思ったが、僕がこっそり言った、
『今夜はエスリンちゃんサリーさんと寝るから、しっかり汗を流さないと』
が、余計なひと言だったのかも知れない、
ソフィーさんベルルちゃんリア先生は一緒に寝るふたりに気を使い、
一緒に寝るふたりはどうせ今夜ベッドで一緒になるからとお風呂は遠慮もしくは後で、とか。
(その結果がこの組み合わせになっちゃったのかも?)
キリィさんモリィさんはおそらく、
はっきり命令しないと入らない、いや、
逆に言えばはっきり命令すれば一緒に入ってくれただろう。
(でも、そういう事じゃないんだよなぁ)
ミランダさんはパーティーの後片付けを手伝っていた、
ジゼルさんは何がどういう訳か『みなぎってきました』とか言って鍛冶屋へ、
あっ、アメリア先生はちゃんと普通にリア先生に送られて行きました、はい。
「若、御主人様」
「ひいっ?!」
いきなり僕の耳元にクノイチの声が!
アサミさん、音も気配もなくいきなり湯船の中に居るんだもん!
もちろん裸ですが少しでもアレすると多分、地獄の耐久レースに引きずり込まれる。
「ご報告を」
「う、うん、例のリア先生のご両親だよね」
「情報をまとめて参りました」
内容を説明すると、
不敬で牢屋に放り込まれたリア先生のご両親、
そのお付きが知り合いの騎士団員を見つけ何とかして欲しいとすがったと。
(それが転移テントを使える騎士団員まで伝わり、お城を駆け巡った結果……)
即時解放せよと命令を出したのは前騎士団長、
という事になっているが実際はその奥さんだとか、
現騎士団長の両親を助けてあげたいという考えは普通ならわかる、のだが。
(リア先生の不倫相手の奥さんだからね、ドロドロし過ぎだよ……)
表向きは現騎士団長の両親を前騎士団長が助ける行為、
実際は元不倫相手への嫌がらせ、うーん面倒くさいし巻き込まれたくないが、
騒動の渦の中心人物が僕なのだから、逃げようがないっていうか逃げるってどうやって??
「それで若、いかがなさいましょう」
「公爵のみならず現騎士団長の夫への不敬でもあるからね、そのままのうえ明日、刑罰を」
「どのような」「んー、内容は決まっているんだけど、タイミングが、ねえ」
結局、明日の訓練の最中に実行するように内容と共に伝えた。
「かしこまりました、ではそのように手筈を」
そう言ってお湯の中に潜ったアサミさん、
そんなわざわざ……と思ったが浮いてこない?
ど、どこだ、って沈んでいる感じもしないなコレ。
(どうやって出て行ったんだ……謎すぎる)
「ねーパパ、パパも一緒にお湯で遊ぼう!」
「ベルベットもー! あそびまーーー!!」
「い、いや、もう上がるから」「えー」「なんでーーー?!」
娘への接し方がわからない
だめ父親だもの。 ミスト
「ほらほら、ミスト様にご迷惑をおかけしないの」
エスタさんが抑えてくれてなんとかひとりお風呂を上がる、
待ち構えていた獣人メイドに身体を拭いてもらいながら考える。
(遊べるのは今夜と明日夜の二回だけど、もうそんな暇、無いかな……)
ベッドで何か飲みながら、エスリンちゃんとサリーさんを、待とう。
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一方その頃、バトルキャンプに屋敷を構える『マジカルリスタート』、
そのリーダー、ジンの前に遅く帰って来た弟分パーティー六人の姿が。
「ミラクルスタンダー……ト?!」
「うん、領主様が名付けてくれたよ!」
「スタンダードの間違いなんじゃないですか?」
首を傾げる弟分たち。
「あえて意味のある造語なんだと思う、多分、おそらく、きっと」
「まあ良いです変な名前ですけど、それより師匠、明日は僕らはコロシアムなんですよね」
「うん、フォレチトンの冒険者がいざとなったら加勢するって形だけだから」
顔を見合わせるマジカルスタンダートのメンバー。
「わかりました、騎士団の大規模演習でしたっけ、頑張ります」
「期待してるよ、領主様が名付けた新パーティーのお披露目なんだから!」
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コン、コン
「どうぞー」
寝室で僕が返事をすると入って来たのは、
寝間着姿のエスリンちゃん、サリーさん、そして最後に……!!
「ソフィーさんまで?!」
「はい、来ちゃいました」
「ええっと、ど、どういうこと?!」
僕の計画が、スケジュールがぁ。
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