第373話 やったあー! ねんがんのぐへへぐほほぐははははは 後編

「「「「「「「「ヨウコソ イラッシャイマセー」」」」」」」」


 僕らが入るや否や両脇で四体ずつ、

 計八体のサキュバスが迎えてくれた。


(前よりお迎えが増えてる!!)


「お待ちしておりました、ボリネー=アビタラーナ様からのご招待の皆さまですね?」


 奥から以前会った受付の紳士が来て、早速のご案内だ。


「あっはい、お久しぶりです」

「ではまずは招待券を」「みんな、出して」


 無事、回収されると進化した感じのサキュバスを先頭に案内される。


「コチラデゴザイマス、ウフフフフ……」


 相変わらずドぎついピンクの通路、

 前とは違ったコースで地下へ案内されるとそこは……


「おお、大宴会場!!」

「ニンゲンノ オショクジヲ オモチ シマスネ」


 ボリネー先輩から夕食付きとは聞いていたが、

 ここまでしっかりしたものとは……こんな部屋あったんだ、

 奥にはステージがあるな、僕らは丸テーブルを囲む椅子へ座る。


(どこからともなく賑やかな音楽が!)


 よく見ると衝立の奥で奴隷の女性(人間)が演奏している、

 いつだったかナスタで襲ってきたメイド女性も何人か居るな、

 確かオプラス王の奥さんや娘の屋敷に居た、ってなんでこんなことは憶えているの僕。


「こらアレクス、お酒を持って来たサキュバスの変な所を触らない!」

「ええっと、チップはまだいいのか?」

「運んできたのにいちいち渡してたらきりがないんじゃないかな」


 普通の接客サキュバスには『最後に』銀貨を渡すデュフって聞いてるし。


(あっ、受付紳士もお酒のグラスを手にした)


「それではミスト=ポークレット侯爵御一行様を歓迎して、乾杯!」

「「「「「かんぱーーーい」」」」」


 そして一人一人にそれぞれサキュバスが付いて甲斐甲斐しくおもてなし、

 そうか、このサキュバスに食事が終わったら銀貨を渡すのかぁ、あとは……


(メインの食事が運び込まれたタイミングで、ステージに別の着飾ったサキュバスが並んだ!)


「それでは歌と踊りをお楽しみ下さい、ます最初は『アプス神殿音頭』さあどうぞ!」


 この紳士、司会までするのか……

 サキュバス五体が一生懸命に歌いながら踊るのはいいが、

 動きがなんというかぎこちないというかこういう振付かな?


(歌っている歌詞もよくわかんないけど、おもてなしの心は伝わる)


 ちなみに世話してくれているサキュバスの衣装は、

 なんていうか、うん、隙間が覗ける、とだけ言っておこう。


(メイソンに付いているサキュバスだけ背が低いのはアレか、妹系か)


 来客個々の好みまでリサーチ済みだったら怖いな、

 でもボリネー先輩の手配ならまあわかるというか。


(あっ、変な歌と踊りが終わった)


 司会の紳士がまたやってきた。


「それでは皆様のために今回特別に用意致しました漫才です、

 ご覧いただきましょう、披露するのは『ザッキー&タッシバ』です、どうぞ!!」


 入って来たふたりはガブリエル辺境伯の弟子ふたり!!


「「どうもーーーザッキー&タッシバでーーーす!!」」


(何やってるのこの冒険者……)


 そしてステージで見事なお笑いを披露してくれたので個人的にチップを渡す、

 恐縮しながら去ると続いてやって来たのは男女コンビ、男性は声で思い出した、

 コロシアムでオークレースの実況をやってくれた自称・不毛な、ええっと誰だっけ。


「どうもーサトリョッタでーす」「ズシちゃんでぇす」

「「ふたり合せて南国スキャンティーズでえええっす」」

「……バキューン」「はい今アナタ、ズシちゃんに撃ち抜かれましたよー!」


 うん、リアクションに困る、

 でも漫才とやらは面白かった、

 これまた僕が代表してチップを渡し終えると食事もデザートタイムに。

 

(お腹いっぱいだぁ、お風呂入って『スッキリ』したいなあ)


 みんなも同じ事を考えているみたいだ、

 それを察してか紳士がやってきて通路へ案内する。


「皆様、ショーはいかがでしたか?」

「うん良かった」「面白かった」「料理も美味しかったぜっ!」


 アレクスとセスも頷いている、

 宴会場から出る時に歌と踊りを披露してくれたサキュバスが並んでいたので、

 それぞれにチップの銀貨を渡して……そうか、人数が合せてあるのはそういうことか。


(一人が一体のサキュバスに銀貨を渡せば丁度だね!)


 個人個人に接待してくれたサキュバスにも渡してお別れ、

 これで銀貨二枚は捌けて、残った金貨一枚のチップを使う場所へ。


「皆さま、今回は無料招待ですので個室料金は必要ありませんので」


 そう言って紳士に連れられた豪華な個室群、

 それぞれの部屋に入って行く友人たち。


(僕は一番奥の個室かあ)


 さすがに今回はアメリア先生が化けて出る事は無いだろう、

 いや死んでないし!

 ……これでサキュバス姿のサリーさんが出てきたら張り倒す覚悟はある。


「それでは存分にお楽しみ下さい」


 紳士に扉を開けて貰い入ると、そこに居たのは……!!


「「「「「「「「オマチシテオリマシターーー!!!」」」」」」」」


 手前に四体、奥のお風呂の中に四体のサキュバスが!!!


(うほ、うほほほほ、ふほほほほほほ!!!)


 合計八体かぁ、うん、これは時間がかかりそうだ。


「フクヲ オヌギ イタシマスネ」

「サササ コチラヘ ドウゾー」


(さあ……パラダイスの時間だああああああ!!!!!)


 この時、僕はまだ知らなかった……

 お風呂に浸かっている最奥右のサキュバス一体だけ、

 実は、生えているという事を……!!!

  だめ貴族だもの。 ミスト

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