第299話 寄り道はあのお城
メランで用事を終えてフォレチトンへ帰るのかと思いきや、
途中のナスタ、ええっと結局、正式に名前変わったんだっけ、
ナッスタだかナナスタンだかナスタンだかナナフシだかの国。
「ミストくん、ナスタンよ」
「あっはい、声漏れちゃってたか」
そのナスタンの中でも例の女帝が居た都市、
ムスタのお城にお呼ばれされた、理由はふたつらしい。
(ひとつはダンジョン攻略、ナスタンで二番目のダンジョンが近くにあるらしい)
ただ入口をええっとここではなんだっけ女帝の国というか領地の呼び名、
ナッスターナ? ナマクラガタナ? ナマデクウニハオソスギタだっけ?
「ミスト様、ナナスータですわ」
「ごめんごめん、ってふたりとも、僕の心の声が読めるの?!」
「ミストくんは自分の中で考え込むと、たまにぶつぶつ独り言します」
(そうだったんだ、気を付けよう)
で、そのダンジョンは女帝配下の高レベル魔法使いや女性僧侶達により、
強引に魔法で蓋をされていたため、中はとんでもない事になっているらしく、
それを何とかして欲しいと言う依頼だった、これも国から冒険者ギルド経由での依頼だ。
「ミストくん、一応、ナスタンでもダンジョンを攻略しておく事で、
S級パーティー昇格を確かなものにしておきます、この国との繋がりも強くなりますよ」
うーん、そうはいってもこの国の名産ってなんだっけ?
こっちとしてはサザンヌまで繋がって海の幸が大量に来るようになった時点で
基本的には満足なんだけどなあ、まぁ早く建て直して貰って観光客を沢山呼べるのがメリットか。
「ミスト様、あまりピンと来ていないようですわ?」
「う、うん、まあ、でもまあ領主の仕事として必要であれば」
「ミストくん、例えばどうしても、アルドライドからフォレチトンが独立するしかないとなった場合、
砂漠の国やナスタンやメランが後ろ盾になってくれるかも知れませんよ?!」
ええっ、そんな発想?!
「そんな予定あるの?」
「ありません」「ありませんわ」
ですよねー、あったら困る。
「ええっと、それでリア先生とエルフ隊が下見に行ってるんだよね」
「はい、私とベルルちゃんで結界を解除して、ダンジョンから出てくる魔物を倒しつつ、
一階部分を偵察していただいている所です、落ち着いたら戻って来るそうです」
「再結界が必要ない程度まで倒してくるそうですわ、あのメンバーなら安心ですわ」
本格攻略は後日、というか明日か明後日かな?
(もうひとつは、あらためてここムスタ城が僕を招いてパーティーを開きたいらしい)
あの女帝による殺戮パーティー、
いや最終的に殺戮されたのは女帝側だったが、
あれで台無しになって美味しそうなここの料理もまるで食べられなかった。
「ちゃんと好意的に迎え入れてくれて良かったよ」
「そもそもあの時とは人が全て入れ替わっていますから、ひとりを除いて」
「あーうん、地下に幽閉されていた、ええっと誰かの姫の旦那さんだっけ」
結局、その人が城主になったらしい。
「そういえば姫の娘とかどうなったの」
「ケースバイケースですが呪い等の仕掛けがあれば解除して、
変な教育があれば記憶を消して、きちんと育て直しですね」
「ですわ、魔力は凄まじいものがありますわ、きっと良い聖女になりますわ」
うん、その力を本当の意味での平和に使って欲しい。
コン、コン
「良いですかね」
この男性の声は、噂をすれば!
うん、入って来たのは奴隷婿にされていた現城主、
ええっと名前は、エクセルサー……いや違う、エレクチオ……
「はいエクトル様、どうぞ」
ソフィーさんの声に入って来たエクトル城主。
「正式にここムスタンの領主となったエクトルだ、あらためて言う、助けてくれてありがとう」
「あっはい、ご招待いただき感謝です、ミスト=ポークレット侯爵です、エクトル様はもうお身体は」
「鈍っていた身体もすっかり良くなった、毎日剣技を磨いているよ」
良かった、
何よりこのお城でこういう男同士の会話が出来るのが良かった。
「その、僕らでお力になれる事があれば、ってすでにやっている最中ですが」
「あぁ頼むよ、とにかく今は男女を平等にしたい、大変だし時間がかかるけどね」
ずっと植え付けられていた女尊男卑の文化というか下地というか、
そういうのを健全に塗り替えて行く作業は大変なんだろうな、
女帝や姫を退治してはいお終い、でそう易々と解決できる問題じゃないだろう。
「それで地下の準備は整っているようだよ」
「えっ、準備?」
「ミストくん、それは私達がお願いした件です」
何だろう何があるんだろう?
「そうそうミスト=ポークレット侯爵」
「はい、何でしょうか」
「うちの貴重な魔導書、年内には返して欲しい、あれでも国宝なのでね」
あーすっかり貰っちゃったものかと!
「わかりました、でいいんですよね?」
頷くソフィーさんベルルちゃん。
(……よくよく考えたらあれ、強奪に近かったな)
城主と別れて地下へと足を進める。
「ミストくん安心して下さい、こちらからお借りしている魔導書は、
年内には全て書き写し終える計算になっていますから」
「ええっ、あの膨大な量を?!」
一冊一冊が分厚いうえに、何千冊あるやら。
「ミスト様、もし間に合いそうに無い場合は、ミスト様にも書き写していただきますわ」
「そ、そんなあ!! そういうのは本職の、魔法使いの仕事では」
「ミストくんだって無属性の魔法使いよ?」「あ、そうだった」
無属性というより無能では
だめ魔法使いだもの。 ミスト
「さあ、着いたわ」
男の衛兵に合図して牢屋エリアへ入れて貰う、
地下牢の一番奥でキリィさんモリィさんが待ち構えていた、
そう、ここは奥の奥、罪人の……処刑場だ。
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