第25話
翌日、
ふみ香はコーラフロート、白旗はジンジャーエール、小林はオレンジジュースを注文していた。
ここでの話題が、昨日のグラウンドでの怪死事件だったことは言うまでもない。
甲斐はその後すぐに緊急搬送されたが、間もなく息を引き取った。
「事件発生前、グラウンドはスプリンクラーで水が撒かれとった。グラウンドは
「14時15分と言ったら、五限目の時間帯だな。四限目は授業でグラウンドは使われていたのか?」
「一年がサッカーの授業で使こうとったらしい。……そっちは何か情報持ってへんのか、小林?」
「故人の甲斐大翔についてなら少し。甲斐はわざわざ全校生徒に見せびらかすように、グラウンドの中心で煙草を吸うのが日課だったらしい。学校としては当然そんなことは容認できないのだが、甲斐の父親は代議士で、これまで腰の引けた対応しかしてこなかったそうだ」
「……何やそれは? 親の権力を笠に着て非行に走るとか、一番ダサいやつやないか」
「それは兎も角、甲斐がグラウンドで煙草を吸うことは学校関係者なら誰でも予想できることだった。そして彼を疎ましく思う人間も大勢いた」
「何や小林、お前この事件、殺しやと考えとるんか?」
「……そういうお前はどうなんだ、白旗?」
小林声と白旗誠士郎。二人の探偵は向かい合って、互いに笑みを交わしている。
「…………」
ふみ香としては、もっと和やかなお茶会がしたかったのだが、一度始まってしまってはもう止められない。
「……でも、この事件って警察もまだ殺人事件か事故かすら判断できてないんですよね? そんな事件、どうやって推理するんです?」
「アホ、せやから
白旗はさも自分と小林が対等であるかのように振る舞っているが、実際には戦績で小林に大きく水をあけられている。
「小林、悪いが今回は勝たして貰うでェ」
「……今回は何時になく強気だな、白旗」
すると白旗はニヤリと笑って見せた。
「ふん、そりゃ強気にもなるわ。何せ学園一の名探偵のお前より先に犯人の
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