第25話 知るほど分からなくなる
「わたくし三人目なのはご存じです?、前のお二人は男子を狙ったように計三人なされました」
「ああ分かっている、その後すぐに亡くなっているな。」
団長言葉だけキリっとしないで放して、ねえ。
「ええ、その頃に義父様義母様が立て続けにお亡くなりになった後すぐ、わたくしを見染めたと申し込みを受けましたの」
「一応調べたが不審な所が確かに有ったが在りえない事故ではないと結果がで・・、あいつらか!」
「逃げきれずに参列させられた葬儀が全て終わったころ、あのローブを見ました」
「よく覚えていますね?」
「次はわたくしと覚悟した時でしたから、周りがみな殺人鬼に見えましてよ」
私の問いに今のは誰と言う顔で見まわしながら答えてくれる。
「他に見たことあります?」
テミスさんが柔らかい声できく。
「ええ、サインラル様でしたか、あの方の領地買収で揉め出すまでよく見かけました」
「その後は」
「思い出したくありませんけれど、偶に来ましたわ、直ぐにお帰りに成るのですけれど、後で必ずゾルダンが暴れておりましたの。」
「直ぐってどれくらいなんだい」
「ホントに直ぐです、それこそ何か渡すくらいの、手紙でしょうか?」
「心当たりが?」
「そう言う訳では無いんですが、ひし形の蝋封を見た気がしますわ」
「菱形?、多いのは伯爵家だな、男爵位に手紙を出すか?」
「大抵は呼び出し状ですね」
「ああそうか」
「それで暴れます?」
「だよなー」
「ねええ!もう良いぃ」
リリカが見張り台から降りてきた。
「風も収まってきてつまらないよ」
そう言えば風の音が少し小さくなった気がする。
「じゃあ、ジョイが適任か、頼む」
「はいはい」
「ああ、嬢ちゃん有難う。」
「嬢ちゃん禁止」
「お」
「この間から言われすぎ!」
「そうなのか?」
「そう!!」
「よし聞いたか禁止だぞ」
「「「「「了解!」」」」」
「おしっ」
リリカ、逆に幼く見られてるぞ、納得してるならいいけど。
「リリカさんは本当にお可愛いですね、わたくしなんか人身御供が精一杯で何時召されるかそればっかり考えていましたわ」
女性陣が固まった。
「あれ何でしょう目が怖いですわ」
ゾルダンは絶対一目ぼれだから!!。三つ編みのころはまだ抑えられていたけど絶世のが付く美人だから、マジで言ってんの?。
あ、団長そんな急に、抱っこされた。ギュウって。
「わたくしの子供は女の子でして見限られたら殺されると本気で思ってましたのに」
少しとがらせる美しい唇を見ていて気になることが出来た。
男の子、三人続けて?、亡くなった婦人、事故で親が全員亡くなり、すぐに求婚、鉱山の強奪計画、馬車と帰り道で。占い師か?。
「セリアーヌさん占い師ってどんな人?」
「彼女は大通りで占いをしてる割と有名な人だよ」
「スキルがあるの?」
「うーん、ほとんどが女の子だからよく知らないなー」
「知ってる人はほとんどいないです、隠してる節もありますね。」
マリナさんが頷く。
少し大げさな動作がまたよく似合う。
「考えるよりも明日確認しましょう、女子もお布施すれば見てもらえますよね」
「ああ大丈夫だろう、リリカ君かい?」
「うにゃい」
冷蔵庫に頭を突っ込んでいたリリカが返事をする。
「リリカ?、顔出して」
「な、何でしょう?」
「てめえ!!」
ばたんびひゅん!!
まったく油断も隙もない私が作れる最後のデザートが判明、今日お披露目の予定だったのに、げ、コップで掬ってやがる。
「こんなものを隠してるのが悪い、これは裏切りだー」
「あーはいはい、兎に角晩御飯作るよー手抜きでね。」
皆が手伝ってくれてユリシアさんの色気に目を奪われリサに叩かれながら用意をする。
定番のミンチ器具を作ってミンチを大量に作ってレタスチーズ、スライスラッキョウを入れ辛子マヨとケチャプを挟んでハンバーガー、後はジュウスやお茶やお酒で頂きます。
今朝から皆言ってくれる。
いけない忘れてたポテト、ポテト。
「これ水どれくらい入るんだろうこんなに使って大丈夫なの?」
食後のコップやお皿を洗いながら給水タンクを見てマリナさんが呟く。
横で一緒に洗いながらセリアーヌさんが「ねえ」とか返事しながら何かをアピールする様に私を見てくねくねしてる、おもろい。
それを見ていたテミスさんが寄って行って。
「さっきからちょっと異常よ、そんなにカッコよかったの?」
「いやそれよりお風呂でさ」
「なに?私もいたよね」
「お前が見えないところだよ」
「見えない、下?」
「ぴんくでうをぐつ・・・」
「言わせないよ?何言おうと、え、まじ?」
頷いてる何言ったんだあの人。
二人でこっち見るな、下を見るんじゃない。
さてと人数分の小皿を出して今朝作っておいたプリンを盛り付けていく、作ったことは無かったが茶わん蒸しを作っていて思い出した、好物の茶わん蒸しを作っていると娘が来てがっかりした顔で居間に帰っていった、妻に聞くとプリンと材料が違うけど作り方は同じなんだとか、味見ではうまいと思うがどうだろうか。
「こ、この小さい分はだ・れ・の・なの?」
「リリカのだよ」
「いやぁだぁ!!」
「だめだゾウ」
「リサ!、あれリサは」
「パンテさんとこに持って行ったよ」
「お願いします、どうかどうか」
「甘ーい」
「トロトロですわ」
「直ぐとけるくせに存在感が」
「こりゃ大器でも食えるぞ」
「この間の甘いやつって言ってたけど全然違いますう。」
かたかたかた。
「もう少しもう少しだけでも」
うえ震えてる。
「もう分ったよ、代わりに明日団長と一緒にユーラに行って用事をしてね」
「はい、はい、はいっ!」
自分の分を大分わけてやったら満面の笑顔でプリンを持って宿車に隠れた。
プリンを平らげて器をかたずけ終えると昨日の約束をこなそう。
「ハーイじゃあ今日は長女の日ー。リクエストどうぞー」
「あたしは雪の国!」
元気にコウシアちゃん。
「私は演劇が見たいです」
遠慮気味にハニラシアちゃん。
少し西に行けばまだやってるな。
「・・・・」
「あれ、サイカちゃん?」
「はい?」
「サイカちゃんは見たい物無いの?」
「え?」
「どうぞ?」
「あの長女って何ですか?」
「えっと、子供の年齢の順番で一番年上が長女だよ」
「二番目は次女で会ってますか?」
「うん合ってるよ」
「じゃあ私は次女ですっ」
「せっ、団長さーん」
セリアーヌさんがこっちを見たのでそこにいてとジェスチャー。
「取り敢えず演劇見てて、ジュウスと餅菓子とモロコシ置いとくから」
「はーい!!」
馬車で寝るもんだから昨日から昼夜が逆転して目が固い、夕べ遅くまで騒いでたので今日好きな場所を見せてやると約束していた。
始まったばかりの演劇をウィンドウに写して見て貰っている横のテーブルで女子騎士団と頭を並べる。
「いや間違いないと思うぞ、奥さん連中だって命が掛かってるからな」
「亡くなってたりとか」
「いやそれもなー、落とし種とかいたら大変だからさ書類は調べたよ、五歳以上の子供は居ない」
「五歳って?」
「ああ五歳まで生存出来た人を載録するんだ」
「サイカちゃんは?」
「七歳。」
マリナさんが間髪入れずに答える。
「じゃあ生きてたら八歳以上の姉が居た可能性だけは有るんですね」
「そうだねー貴族の裏を見たら知らないうちに養子とかあるかもしれないね」
テミスさんが腕を組んで言う、だから、うわっ盛り上がっちゃった。
ぺちん。
「痛い、何で胸叩くのセリちゃん」
「なんか?なんとなく?ごめん」
あと二人もうんうん頷いてる。
「え~なんか最近あたし責められてるの~」
「「「いえ、崇めてます」」」
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