精霊の愛し子と精霊使い

ありま氷炎

序章

かつての世界

 精霊に愛される魂を持つものは精霊に名をつけて契約することができる。

 通常契約出来る精霊は一精霊のみ。

 精霊は火、水、風、土の属性があり、名をつけると人型になる。

 その容姿はその契約者の思いによって異なる。


 かつて人は自由に精霊と契約していた。

ある時、一人の精霊の愛し子が死に際に娘に何か残したいと思って、自らの髪に精霊を宿した。

 残された娘は愛した男に騙され、精霊を宿した髪ー精霊鎖を奪われる。

 精霊は契約者が死ぬと精霊として固体を失う。けれども、このことがあって、精霊を髪に残すものが現れた。

 すると悪用、濫用するものも増えた。

 そして名を失い主に帰る精霊が減り、精霊の愛し子も激減した。

 すると人は精霊鎖を奪い合うようになり、戦争になった。

 四国の争いの中、一国が四つの国を統一した。

 それが百年前。

 物語はそれから更に五十年後に始まる。

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