親友と双子で転生ってそれマジっすか!〜動物を救うためのギルド作ります!〜

澤崎海花(さわざきうみか)

Prolog

落ちる絶望の赤

 前が見えない、煙が広がる。


 叫び声と鳴き声ばかりが聞こえてくる建物の中で、倒れる親友に声をかける。


「おい、返事しろよ、瑠斗るいと!」


 赤と白に包まれた木屑の中で必死に手を伸ばす。


 どうしてこんなことになったのか考えても切りは無い。


「神様、どうか……せめて、瑠斗だけでも」


 祈りの声が届くようにと必死に祈るが、現状に変化は訪れなかった。


 燃え盛る火の海の中で、誰か助けをと涙を流す。


「……誰も助けてくれないなら、せめて未来は救ってくれ」


 来世にはこんなことにならないように、二人揃って幸せになれるようにと祈りを捧げる。


 爆音と落ちてくる天井を見ながら、理人りとは瑠斗を守るために身体を動かした。

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