罪の香り

プロローグ

あなたはいつも同じ香りを漂わせていた。

私も知っていた香水だ。

私にとってその香りを私の罪を思い出すための香りだ。


レモンのようでオレンジのようで、さっぱりとした青空のような香りだ。

でも、どこか布団の中のような安心感に浸れて、どこか秘密の香りもして。

春の日に森の中で、こうこうと輝く太陽の光を浴びながら、洗い立ての布団の中で微睡むような心地の良い香りだった。

香水瓶から香るその香りも、あなたから香るその香りも私は大好きだった。

今でも、ずっと嗅いでいたいくらい好きな香りだ。

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