最初の彼女は寝取られて、次に付き合った彼女にはセフレが居て、不運な俺だったけど物静かで優しい女の子と仲良くなった

@kana_01

第1話 プロローグ


 新作です。長くお読み頂ければ幸いです。

 最初の内は元カノ達の事を描きます。


―――――


 俺、工藤祐樹(くどうゆうき)って言うんだ。今、中学三年生。まあ身長はそこそこ百七十五センチ位あって少し高い方かな。


 顔は半分イケメンって言われている。まあ普通って事だろう。成績は一応上の中位。父親の言い付けで小学校三年から隣町の道場に通っている。


 男友達はそれなりにいるが、何故か俺には彼女がいない歴=年齢。だがそんな俺に中学三年で初めて同じクラスになった渡辺美月(わたなべみつき)って女の子が告白して来た。


「工藤君、中学一年の時からずっと好きでした。君の笑顔も君のちょっとした仕草も好きでした。そして同じクラスになって毎日ずっと君を見ていて、本当に君の恋人になりたいと思いました。私と付き合って下さい」


 俺は嘘告じゃないかと疑った。何故って、渡辺さんは背が高くて黒く艶やかな髪の毛が肩まで有って大きな目をしたとても可愛い女の子。学校でも結構有名人。めちゃもてる。


 そんな人が俺みたいな男に告白するなんて考えられない。でもせっかくだから


「はい、俺で良かったら」

「やったーぁ!」


 最初の一ヶ月位は慎重に付き合った。上手く乗せられて後で、ばーっか私の告白本気にしたんだ。なんて言われて涙目になりたくない。



 そんな感じで付き合い始めてもう三ヶ月。まだどこかで渡辺さんの仲間が、俺が調子に乗った時に、バッと出て来て動画とか撮って馬鹿にされるかもしれない。その思いがずっと残っていた。


 彼女から告白されて半年。やっと相手が本気だと思い始めた。そしてこの頃からお互いに名前呼びになった。進学先を聞かれて私立松ヶ丘高校と言った時、少し怪訝な顔をされたけど、彼女も同じ高校に入った。もう彼女の友達も一緒には進学しない。



 ちょっと理由が有って、高校から一人暮らしになった俺は、そろそろ美月とキス位してもさらにその先に進んでも良いと思った。


 そんな矢先、美月から言われた一言


「あのね祐樹。私と別れて欲しいの。好きな人が出来たから」


 晴天の霹靂とはまさにこの事。同じ高校に入学してこれからという時に美月から振られた。






中学を卒業する三か月前の事。


 俺は父親より次男は中学を卒業したら独立するのが我が家のしきたりだ。とか言われて一人暮らしをする事になった。

 別に家族の仲が悪い訳でもない。両親もしっかりしている。


 もちろん独立と言っても経済的な事は全て親が出してくれる。それに俺には大学生の兄がいる。その兄は実家にいるけど。


 まあ理由は分からないが、しきたりだと言われるとどうしようもない。兄は頭もいいしイケメンだ。どうせ兄が家業を継ぐんだろうからと俺は気持ち良く独立する事にした。



 俺が住むマンションは、新しく入った高校から駅で二駅、駅から五分と立地もいいし近くにコンビニやスーパーもある。


 実家からだと高校へは六駅は乗るから俺からすれば好都合だ。それに俺には中学三年から付き合い始めた渡辺美月(わたなべみつき)という可愛い女の子がいる。


 だから一人暮らしというのは先々好都合だ。彼女とは付き合って半年。これからキスとかその先も考えていたから丁度いい。


 俺が通っている高校は一応進学校で私立松ヶ丘高校。都内にある高校。俺の頭でものんびりと高校生活を過ごせそうな学校だから選んだ。


 今日も美月と改札で会って学校に行く。

「祐樹、今日の放課後話が有るんだけど」

「話って?」

「その時に言うね」

「分かった」


 下駄箱で履き替えると美月は1Cに俺は1Aに行く。本当は同じクラスが良かったけど仕方ない。




 授業が終わり、下駄箱で待っていると美月がやって来た。

「祐樹、待ったぁ?」

「いや、今来た所だ」

「じゃあ、帰ろうか」

「話は?」

「駅裏の公園でしよ」

「うん」


 俺と美幸で並んでクラスの話なんかしながら歩いていると駅に着いた。

 俺はこの時までは、遊びの話だとばかり思っていた。


 駅の改札に入らず、駅を巻く様にして公園に行くと空いているベンチに座った。



「美月、話って何?」

「あのね祐樹。私と別れて欲しいの。好きな人が出来たから」


この言葉は俺にとってまさに青天の霹靂だった。


「はっ?なんで、なんで俺が美月と別れなければいけないんだ。俺に何か落ち度があったのか、それとも気に入らない所が有ったのか。それなら直すからいきなり別れようは止めようよ」


「祐樹は何も悪くないよ。かっこいいし優しいし好きだよ。でもね、私達もう付き合って半年だよ。まだ手も繋いでいない、キスもしていない。

 流石に私、女として魅力ないのかなと思って、クラスの子に相談したら、その子色々相談に乗ってくれて、だから」

「だから何?」

「もうキスもして、初めても上げちゃった。だからもう祐樹とは付き合えない」


 その言葉に頭の思考が停止した。


「そ、それって、俺と別れる前にしちゃったって事?」

「うん、その子優しくてさ。だから事後になったけど、祐樹と別れる事にした」

「何だよそれ。ちなみに誰なんだ。美月を寝取ったやつって」

「同じクラスの高田賢二君。優しくて感じのいい子だよ」


「ちょっと待てよ。俺だって美月としたかったけど、高校生になるまで我慢してたんだ。だからこれからだったのに」

「えっ?!」



「酷いよ。

 悔しけど…、分かった高田と上手くやれよ。じゃあな」


「えっ?!ちょっと待って…」



 俺はもう手遅れと思って美月と一緒に座っていたベンチを思い切り立ち上がると走って駅の改札に入った。




 あーっ、祐樹が行っちゃった。祐樹の言っている事が本当なら私がばかだったって事?祐樹の事まだ好きなのに。


なんで、なんで、なんで。



 彼と知り合って色々話したりしたけど、彼の家に遊びに行った事は無い。私の家には来たけど。


 祐樹の事は中学一年の時から知っていた。その時から気にはなっていた子だけど、中学三年の時に同じクラスになって、話をしている内にちょっと大人びた所とか、変にイケメンしていない、半分イケメンみたいなところが良くて、それにとても優しいから私から告白して付き合い始めた。


 最初一ヶ月もすれば手を繋いだりキスとかしてくるのかなと思っていたけど一ヶ月経っても二か月経ってもしてこない。だから彼は奥手なんだと思っていた。


 私達は、松ヶ丘高校に入ったけど、祐樹とは別のクラスになった。 

 でも高校に入って一ヶ月近く過ぎてもキスもしてくれない。本当は、キスやその先だって考えていたんだけど。


 だから最近、彼は私に興味無いのかなと思う様になって来た。私から告白したから仕方なく付き合っているのかな。そう思う様になっていた。そんな時、同じクラスの高田賢二君が声を掛けて来た。



 最初は何?って感じだったけど色々話している内に、祐樹の事も話すようになって、相談に乗って貰っている内に、彼の部屋にも行くようになった。


 あくまでも友達って感じだったので安心していた私が悪かったんだけど、初めてキスされて、ぼうとしている内に初めてを取られてしまった。


 完全に同意したわけでもないけど、祐樹の事を考えるともう限界かなと思うようになった。それにその後もしたけど高田君はとても上手。だから祐樹に話した。



 そしたら祐樹があんな事言った。高校生になったらしようと思っていたって。でも遅すぎるよ。





 俺は、訳が分からないまま、マンションの自分の部屋に戻った。なんで、なんで美月は俺と付き合っている内に他の男子としちゃったんだ。


 俺ってそんなに魅力ないのかな。キスだって、その先だって高校に入ってから美月とゆっくり始めようと思っていた。なのに…。



 次の朝、学校のある駅に改札にはもう美月の姿はなかった。


―――――


 最初からこれですかって感じで始まりました。最後までお付き合いくださると嬉しいです。


書き始めのエネルギーはやはり★★★さんです。ぜひ頂けると投稿意欲が沸きます。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。

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