クラフター一人でゆっくりする

  どっしりと椅子奥深くに座りながら背もたれにおっかかりながらティーを一口飲みます。


「やっぱり仕事しないで飲むのは格別ですねー! 今頃ナイトの皆さんは素材集めで大忙しじゃないですかね! それにしても無料で作れるメイドさんと兵隊さんたちは何も設定しなくても意志を持っていて勝手に行動してくれるなんてこのゲーム凄すぎますね」


 机に飲み終わったティーカップを置くとメイド服を着た可愛いエルフさんがすたすたと小走りでおかわりを持ってきてくれます。一方兵隊さんたちは拠点にモンスターが侵入してくると即座に出動して倒してくれるので安心して散歩することもできません。まあ滅多に歩くことはないんですが!


 こんなに便利なメイドさんと兵隊さんを追加で配置しようと思ったら材料が足りないため配置できませんと出てきたので素材集めをしなくてはなりませんね!


「材料が足りないのでナイトロールの皆さんには素材集めに行ってもらいます。私は忙しいので同行することができないので3人で頑張ってきてください。質問も受け付けてないのでよろしくお願いします」

「それは不公平じゃないかしら?」

「そんなのおかしいですわ!」

「おかしい。不公平」


 皆さん口々に文句を言っていますが仕方がないことです。だって私はギルドマスターでティーを飲むが忙しいんですから! 何でそんなにお茶が必要なの? ってゲームだから尿意もなければ太りもしないでずっと飲食ができるんですよ! だから現実でもお腹が減って暴飲暴食をしたせいで3キロ太ったとは言えません。


 んーなんでしょうか。せっかく拠点の平和を守ってくれている兵隊さんたちの待機室がボロボロの木の椅子と角にひびが入っている机という何とも言えないものばかりで頑張りに対しての報酬になっていないような気がするので少しだけアレンジしてあげましょう!


「まずは椅子からですね! 長時間座っていてもいたくない低反発クッションと背筋が痛まないようにする支えをイメージしてクラフトボタンをぽちーっと!」

『王家のチェアーが製作されました』


 ででどん、思ったよりいい形のチェアーが出来上がりました。どこかの国の王様が座っていてもおかしくないくらいの金ぴかの装飾に散りばめられているダイヤモンドパウダーが存在感を放っています。こんな豪華な椅子ならきっと兵隊さん達も満足してくれるでしょう!


「次は机ですね。世界樹で作られた1000年使っても壊れない机を作ってみたいです。 世界樹をいたことがありませんが、こないだの大会で似たようなものを見たのでその木から作られる板を想像してみます。そして机の形を想像すると!」

『王家のテーブルが製作されました』


 ででどん、長方形で汚れすら目立たないくらいぴかぴかで何かをこぼしてもすぐに吸収して目立たなくしてくれる便利仕様! さらに角にぶつかっても痛くないように少しだけ工夫がされています。


 それでは早速この2つを設置しにいきます。


『兵隊たちは歓喜し全ステータスにバフがかかりました。50%向上します』


 

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