クラフターお嬢様に遭遇する2
「ようやく見つけましたわー! そこの着物を装備した貴女お話しますわよ!」
「逃げないで待ってくださるとうれしいですわ。まつの――――――――――ですわ――」
外の世界には怖い人がたくさんいると両親からは教えられて育てられました。それはゲームの中でも同じであることを知りました。パン屋さんに商品を卸すために向かっている最中でした。後ろから縦ロールのザお嬢様ヘアーのプレイヤーさんが血眼になって私を追ってきました。
「ようやく止まってくれました。怪しい者じゃないですわ。わたくしは、クラフターのマインですわ! 少しだけお話を聞きたいので来ましたの」
「はじめまして? 私はクワナです。クラフターです。答えられることなら何でもお答えしますよ」
後にあんなことになるなら何でもお答えするなんて言わなきゃよかったです。
「貴女の着てる装備が気になって気になってずっと気になっていましたわ。どこを探してもレシピは見つかりませんし、いくら作っても変化しませんし、一体どこで手に入れましたの?」
「何となくクラフトしてたら変化しました。熟練度の関係だと思っていたんですがマインさんは変化しなかったなら違う理由かもしれません」
「でも熟練度が関係してることを分かったので良かったですわ。最後にあの魔女の装備もクワナ様が製作しましたの?」
「そうですよ。あれも熟練度最大になって変化した装備ですね。あれえマインさーん」
鼻血を出しながらどこかへ走っていくマインさん、これはきっと新しい知識を手に入れて興奮したあまりに出てきてしまったんだと思います。何か他にも聞きたそうな顔をしていたのに、どこかへ行ってしまうなんて面白い人なのかもしれません。
「またデレデレしてたわね。あの変態お嬢様がそんなに好きなのかしら?」
「ログインしてるなら一言言ってくれればいいじゃないですかー。好きではないですよ! ただいい人だと思います」
「変態がいい人になるなら誰でもいいってことよね? そんなにニヤニヤしてもう知らない」
「怒らないでください! 私の一番はいつでもちひろですよ?」
これは嫉妬ですね。嫉妬ってやつですね。私に嫉妬するなんてちひろも甘ちゃんなんですね! でもそんなちひろも可愛いので私は好きです。さてパンでも作って拠点でティータイムをしたいと思います。
『PvPDUOイベントの最新情報をお知らせします。ルールノーリサール死んでもアイテムのロストはございません。装備等の使用は自由ですが、今回は特別にアイテムレベルによる数値化し1000キャップとします。全プレイヤーが平等に戦えるので皆様の参加をお待ちしております』
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