(二)-11

「いえ。結局、入れずじまいで。その後四、五年したら、鉱山会社の経営が傾いて大勢解雇されたんです。そのとき俺もクビになりました。中堅のベテランは随分残っていましたけど、地上係とか俺らみたいな経験のほとんどない若い奴とかは全員クビですよ」

「その後はどうしたんだい」

「結局最初の工場があった蒲田に戻ってきて、土方どかたになりました。それからはずっとそこですね」

「そうだったのか。足の怪我ってのは鉱山でか」

「いえ、土方の仕事です」

「事故か何かか」


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る