第1話 魔王退治に向かおうなのでござる!
「ひさめ君、これから魔王退治に向かうのでござるよ」
「叔母さん、それ、本気なの?
すごく危険だと思うけど」
「いいのでござる。
あたくしは、試練を乗り越えてこそ、真の乙女に近づけるのでござるよ」
「真の乙女って言うけど、魔王退治はちょっと違う気が・・・・」
「ひさめ君も、向かうのでござるよ」
「なぜ、俺も?」
「あたくしのかっこいいところを、甥にも見せたいのでござる」
「喧嘩に毎回、負けるやつにできるか!」
こうして、あたくしとひさめ君は、一緒に魔王のいる城へ向かった。
「囚われのお姫様を、助けたいと思っているのでござるよ」
「へえ、叔母さんにも、人助けをしたいなんて思うことあるんだあ」
城に向かい、魔王討伐が目の前にしたら、まず最初にやることは・・・・・。
「トイレに行くのでござる」
「魔王討伐を目前にして、タイミング悪いわ!」
こうして、あたくしは何時間もトイレにこもり、魔王の部下たちはトイレに行きたくて、行列ができた。
「増えてるー!」
魔王の城には、トイレが1個しかないため、一人がこもるとみんな入れない。
「魔王の城に、トイレ1個しかないって、どういうことだよ!?
しかも、叔母さん、トイレ何時間こもっているの?」
「12時間はこもるつもりなのでござる」
「そしたら、魔王退治に行くな!」
あたくしが、トイレに出たころには、部下たちのトイレの前に行列ができていた。
「叔母さん、お姫様は助けに行かないの?」
「行くでござるよ、1年後に」
「それじゃ、遅いの!」
こうして、魔王を目の前にした。
「残念でござるね、魔王。
貴様の部下は、便意と尿意で倒したのでござるよ」
「そんな方法があったんかい!」
魔王が、静かに不気味に話した。
「部下を全制覇できたことは、褒めてあげよう」
「戦ってすら、いないのに!?」
「だが、このわしを倒せるとでも、思えるのか?」
「うん、無理だと思うのでござる」
「はっきり、言っちゃたよ!」
「姫を助けにきたつもりかもしれないが、今まで生きて帰れた人はおらぬぞ」
「え? じゃあ、生きているうちに帰ろうでござるね」
「そういう問題じゃないよね!」
「貴様、勇者の盾も、剣も、鎧もない中で、どう戦うつもりだ?」
「甥を盾にして戦うでござる!」
「最低だ!」
「貴様の根性は、認めた」
「根性なんて、あったけ!?」
「わしの恐ろしさと強さを、ここで思い知らせてやろう」
魔王が、椅子から立ち上がった。
「やばいよ、叔母さん、どうするの?」
「いくら、魔王でも、無敵ではないのでござる!」
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