5/6 明るい宝石

「うぇーい!!!久しぶりぃ!!元気だった!?」

「……ダイヤか。お前悩みなさそうでいいよな」

「そんなことないですよー!!俺だって闇落ちすること位ありますよー!!」

「闇落ちしてブラックダイヤになりましたってか。お前の場合そうなってもメンズナックル系に需要あるから大して影響ないだろ」

「あーガイヤが俺にもっと輝けと囁いてる系ねー!!あの時はクロムハーツさんのご縁もあって引っ張りだこだったねー!!」

「お前の暗黒時代全然暗黒じゃなかったってオチな」

「いやあ俺的にはクロムハーツさんともっと絡むために真の闇ってやつを体感したかったんだけどねー!元々陽キャな所が出ちゃって最終的には日サロで焼いたチャラ男になっちゃったっていう、まー苦い思い出だよははは!!!」

「……俺も陽キャになってみたい」

「え?」

「一度でいいから陽キャになってみたい。なあどうすれば陽キャになれんだよ」

「うーん」

「教えてくれ、教えてくれ、何でもする、な?」

「うーんそこまで言うなら、でもYOUさー、ほんとに陽キャになりたいの?」

「なりたい!」

「じゃあ具体的に聞くけど……どういう陽キャになりたいの?」

「そりゃあお前みたいな分かりやすい陽キャになれたら一番いいけど、お前はほら、ホストで言うローランドみたいな黙っててもオーラがあって周りに人が集まって来るタイプじゃん‥…おれがそれを真似しても滑稽だと思うんだよな。だから手始めに軽い所から始めたいっていうか‥…例えば、今話題の真珠君とか」

「あー!!!イメチェンに見事成功したタサキの真珠君ね、分かるよー。デインジャーとかいいよねすごい」

「メンズパールあそこでドーンと流行らした感じがまた」

「そうそう!うん、ああいう感じで行きたいのか……でもあれはデザイナーの仕事ありきの所もあるし、真珠君は売れなかった期間も耐えて耐えてのブレイクだ」

「おれこれでも根性だけはあるから売れないのを耐える自信はあるよ」

「!」

「だって今までずっと売れなかったもん。下手すりゃ数億年」

「!!そりゃすごい」

「だから数億年にあとちょっとプラスされるのは別に。でもそれを経たら必ず売れるって言う確証は欲しいかな!」

「……そうか、それなら、じゃあ簡単だ!!!」

「え?」

「あと100年位待てるかな?」

「なにそれ煽ってんの?」

「いやガチでガチで待てるなら君絶対売れるよ!」

「は?」

「だって君琥珀で、中に数億年前の虫入ってるだろ。伝統芸能の家の一人息子みたいなもんだ。あと数億年経てばそこら辺の生物は大体絶滅してるから、自ずと虫ごと君の価値が上がるってもんだよ!!」

「いやそういう意味じゃないんだけど。俺は今の人間社会で売れたい……」

「それは視野が狭すぎてもったいないな。俺クラスになると思うんだけど、俺らの寿命って人間よりもずっと長い訳じゃん?でカテゴライズ的にも俺ら宝石だから、貧乏性の人間はそんなに簡単に捨てないと思うのね。じゃあ住まいはとりあえずオーケー。その次に何するか。出会いを求めてしたたかに、自分磨きをしながら待つんだよ」

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