4/28 愉快な音楽

ドンッドンドンッドンドンッドンドンドンドン!


「なあこれ何の音?祭り?」

「俺に分かる訳ないだろ……てか仕事しろ」

「この状況で仕事なんか出来る訳ないやん。頭上からめっちゃ響いて来てるし」

「無視して仕事しろ。今日は金曜だからな。絶対定時で帰るぞ」

「うんそれは意気込みとしては素晴らしいと思うんやけど、やっぱその意気込みを無駄にせんためにも就業環境整備って大事やん?ほらおれ総務も兼務してるからそういうとこ気になるの」

「じゃあお前が上の階上がって見て来いよ」

「え~~!?嫌やわなんか怖いし。一緒に行ってくれるならええよ」

「だから俺は忙しいって言ってるだろ早くいけよ。てかそれ総務のお前の仕事だろ」

「いやそれは先週総務だった田中パイセンに見本を見せて頂きたいなあって」

「いやお前‥…普通に階段で上上ってこっそり様子見てくればいいだろ」

「あぁまあ熟練されている先輩方は皆そうおっしゃいますよね。でも上階にどのテナントが入居されているかご存じですか。ヤクザの事務所だったらどうします?上上った瞬間に『なんじゃコラぁ!!!!!ワレ!!!!!いてまうぞコラあ!!!!!』とか言われたらどうされます先輩?」

「お前‥‥…なんでこんな時だけ苗字で呼ぶんだよ。てかお前の今の叫び声の方がヤバいぞ仕事中だろ」

「あ、すいませーん。皆さんすいませ~ん。情シスがまた調子乗りました~」

「すいません。すいません。以後気を付けまーす。‥‥絶対下の階にもうちがフロント企業だってって思われたぞ」

「それは今後営業に行った際に挽回するとして。今週鈴木さんが営業兼務だから、来週パイセンですよね?」

「ああ」

「がっつり初見で笑いかまして案件取って来てください。そして俺はそれを草葉の陰から見学させて頂きます」

「お前何勝手に死んでんだよ。死ぬ時は社長承認がいるだろ」

「ああそうやったね。おれがルーチンで集めてる紙がそうやった。この前佐藤が無断で交通事故にあって生死の境をさ迷ったから、おれが病院乗り込んだんやった。申請ちゃんと出してから死ねや~!!!って言ったら奥さん引いてたけどそれで息吹き返したから逆に感謝されたっていう……」

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