AIと続ける即興小説トレーニング(制限時間15分)

明日見 慧

4/23 しっぽ、兄、塩 ※ライトレ使用の三題噺(制限時間15分)

 アイドルをやっている私の兄はファンに対して常に塩対応で、たまにメディアで抜かれることもあるから妹としてははらはらするのだけど、本人は全く意に介していない。

「ファンからしたらこういう対応がごほうびなんだろ。あいつらキモいからこういうのでいちいち喜んでんだよ」

つまらなそうに言う兄。炎上したら私達の生活にも影響するんだからお願いだから気を付けてよね。

 私に出来るのは家族を強調して不満を漏らすこと位だ。芸能界のバンパイアみたいな美男美女に慣れ親しんだ兄は、歳相応に老けた父と母の言うことはもうまともに聞かない。私だって兄よりも若くて顔立ちに多少兄の名残があるから口を利いてもらえているだけで、私だっていつ空気にされるか分からないのだけど、父と母がもうどうしていいのか分からないからお前だけが頼りだという口調で、情に訴えてくるから拒めないのだ。

 この前は過労からくるストレスでキレ散らかしている兄にペットを飼うことを勧めた。血統書付きのヒマラヤン。たぬきみたいでかわいいでしょ? それに、このおまぬけ顔、なんか笑えるでしょう? その返事はこいつよりお前の顔のが百倍笑えるわクソが、だったけど、人間の都合で買われてきた動物を殺めるという残虐性にまではまだ到達していないようで、渋々ながら頭を撫でたり、ご飯をあげたりしているみたい。


 たぬきたん、どうちたの? もうおねむでちゅかあ~?


 プラスチックで出来たしっぽにしがみ付く猫改めたぬきたん、に声を掛けている兄の生声。私が学校に行っている間に密かに録音したやつ。

動物は汚いから嫌いじゃなかったの? 潔癖症キャラは、やっぱり嘘だったのね。


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