56.おはようのしりとり/押田桧凪
作品名:おはようのしりとり
作者名:押田桧凪
性癖:しりとりでしか会話できないカップル
性癖:る攻め
性癖:婉曲的なキス
作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330656251808161
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連続で投稿頂いた押田桧凪さんの三作目です。
こちらの作品も今までの二作と同じく作中の描写からタイトルの意味に気付くという作品となっていますが、200文字という短編と会話文という状況からか、内容とタイトルの結びつきが今までよりも一番強く感じました。
内容は『しりとりでしか会話できないカップル』の寝起きの場面で、カップルがしりとりで会話をし、『る攻め』をしながらしりとりの中でいちゃいちゃして、最後にしりとりの延長で『婉曲的なキス』をして終わるという物です。
今回の性癖小説選手権で押田桧凪さんが『婉曲的なキス』という性癖を使うのは二度目ですね。同じ性癖を使ってはいけないなんてルールはありませんし、逆に好き性癖は何度使って頂いても構いません。好きな物はどんどんアピールしていきましょう。ナイス性癖!
また、タイトルには「おはよう」と入っているのですが、本文中には寝起きというセリフは合っても「おはよう」という言葉が無いのに強い思いを感じました。今までの押田桧凪さんの作風であるタイトルと本文の結びつきを感じるのは勿論、敢えて口に出さずともイチャイチャしている様子がこの二人にとっての朝の挨拶であるという事が強調される様に感じました。きっと毎日『婉曲的なキス』をしちゃっているんでしょう。この様に「読者にシチュエーションを想像させる」ことは(こういうのもいいかも…)と性癖を受け入れる行為でもあるので、性癖小説選手権的には高得点です。いいですよね、『婉曲的なキス』。『る攻め』の挙句に口で塞いで無理やりしりとりに勝っちゃう所も得点が高かったです。多くを語らずとも読者にイメージをさせるやり方は難しいのですが、それだけに効果は絶大でした。
前回の第四回から通算で六作の押田桧凪さんの性癖小説を拝見いたしましたが、作品に対する独自のルールを定めている方という印象を受けました。
「作中の描写からタイトルの意味に気付く作品」というのも拘りを感じますし、何より文字数を切りの良い数字で揃えていらっしゃいます。もしかしたら一段落毎の文字数ですとか言い回しにもルールを定めているのかもしれません。
譲れない拘りやルールはそれ自体が性癖に繋がり、作品の骨子部分を担う強いテーマにもなる物です。押田桧凪さんの今回の三作からはそれぞれ提示して頂いた性癖の思い入れを強く感じましたが、やはり一番に感じた物は「作中の描写からタイトルの意味に気付く作品」という物でした。是非とも押田桧凪さんには「作中の描写からタイトルの意味に気付く作品」という拘りを突き詰めて頂き、性癖として昇華して頂けたらなと思います。
性癖を昇華する事が出来たその時、押田桧凪さんは更なる性癖力を手に入れる事が出来ると思います。性癖小説選手権主催としてはその姿を見てみたいと思っています。
強い思いの籠った三作の投稿ありがとうございました。これからの押田桧凪さんを応援しています!
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