38.浄化部怪異見聞録/野村ロマネス子

作品名:浄化部怪異見聞録

作者名:野村ロマネス子

性癖:オカルト

性癖:凸凹コンビのバディもの

性癖:極秘機関

性癖:解決できないオカルト事案との共存

性癖:ぶっきらぼうだけど育ちの良さが滲み出る男子

作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330657499604694

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 一作目は認識が変わっている獣医の話、二作目は女子高生が恋を自覚する話を投稿頂いた野村ロマネス子さんの三作目です。

 一人三作まで投稿可能なレギュレーションで三作マックスの投稿ありがとうございます。その溢れんばかりの性癖力は必ずあなたの力になるでしょう。


 一作目はほのぼのテイスト、二作目は恋愛物だったのですが、三作目は日常と共存する怪奇物となっていました。

 それぞれ別々の作風で書かれていて、作風に合わせて性癖の幅も広いというのはとてもいいですね。何か一つ大きな性癖を武器にする事も素晴らしいですが、沢山の性癖を抱えるのもそれもまた素晴らしい事です。そして、その沢山の性癖を作品に表現出来るのはもっと素晴らしい事です。


 内容としては体が糸状になってほどけてしまう症状の出ている女性が何らかの『極秘機関』に入るまでという物なのですが、その『極秘機関』に入る事を決めた相手が性癖紹介に書かれている『ぶっきらぼうだけど育ちの良さが滲み出る男子』となっています。

 主人公は『オカルト』の症状が出てしまった女性なのですが、内容的にはこの『ぶっきらぼうだけど育ちの良さが滲み出る男子』の良さを伝える為の作品となっていて、他者目線で性癖対象の良さを語るという紹介型の性癖小説ですね。性癖対象を主人公として活躍させるよりも作者からの「この性癖いいでしょ」という性癖への思いが込めやすいので性癖小説とはとても相性の良い書き方です。

 なによりも前半で編物を祖母から教わった唯一の趣味としておいてからの、『ぶっきらぼうだけど育ちの良さが滲み出る男子』がさらっと編物をして主人公の女性の症状を治すシーンがとても良かったです。

 自身が編物をしているからこそ彼の作業が優しく丁寧だと分かり、恩人な上に自分の趣味を理解してくれた相手ともなったらそりゃ近くにいたくもなりますよね。やんちゃな性格に見えて優しい少年とかめちゃくちゃ気になるに決まってるじゃないですか。育ちがよさそうなのに『極秘機関』に属しているという事は彼にも何か理由があるのだろうし、汚れ仕事だからと主人公が同じ部署に来るのを反対してます。それは君も同じだよね?と言ってあげたくなってしまう程の優しい少年。いいですね。作品全てで『ぶっきらぼうだけど育ちの良さが滲み出る男子』の良さを語っています。やはり性癖小説の書き方が上手い。


 野村ロマネス子さんには三作の性癖小説を投稿頂いたのですが、三作とも雰囲気や性癖の現わし方が違う物となっていて、とても幅広く性癖を扱う事に長けている方だと感じました。

 性癖の種類だけでなく、その性癖をどう魅力的に魅せるかの手段も沢山お持ちという事ですね。

 どの作品も性癖について前向きでしたし、野村ロマネス子さんはプラス性癖表現者パッショナーとして完成されていると思います。

 これからもその性癖力でこれからを期待させてくれる性癖小説を書き続けてくれたらなと思います。

 ご参加ありがとうございました!

 

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