詰め合わせ

安神音子

散歩

ぽつぽつと落ちてくる桜の花びらを横目に、ただ街を散歩しているだけ。

隣にいる友達は特別仲が良いわけでも無いし、連絡を頻繁にとるわけでもない。だけどなんとなく付かず離れず、好きな友達だ。

色んな話をした。仕事の話、お互いの趣味の話、友達の話、彼氏の話。ふたりで話をしている時間はいつもあっという間で、気が付けば3時間も経っていた。

その場にあったカフェでアイスティーをテイクアウトして、また歩く。

桜の木をバックに、ふたりでアイスティーを並べた写真を撮る。どこに載せるわけでもなくただ思い出にするだけ。

どこまで歩くかは分からない。歩くのが好きなふたりで、気の赴くままに歩くだけだ。

だから、飽きたらやめるの。

お互いそこの感情は似ていると思うから。


また遊ぼうね、なんて別れるけど、その“また”はいつか分からない。

だってお互い、連絡取るの苦手だから。

でもきっとその“また”は来る。


そして家に帰ってから思う。

ひとりで部屋に閉じこもる休日もいいけど、友達と一緒にゆっくりした時間を過ごす休日も悪くないよね、って。

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