異世界から悪役令嬢が転生してきて、まさかの新婚!?同居生活が始まった。

霜花 桔梗

第1話 悪役令嬢が嫁になる

 緊急事態である。家のリビングに見知らぬ女子がテレビを観て横になっている。私が声をかけようとすると。


「あ、お構いなく」


 違う!お前は何者だ!私がもう一度聞こうとすると。


「うるさいな、我の名前はテレサ・リープ、貴族の娘だ」


 貴族?その態度はとても貴族には見えない。


「我は王族を呪った罪で斬首及び異世界転生の刑にあったのだ」

「むむむ、まさかの幽霊か?」

「違うのだ、異世界転生なので、この世界のただの女子に成りはてたのだ」


 テレサとの出会いは自宅のリビングと実に不思議なモノであった。


「テレサちゃん、テレビの前でゴロゴロもいいけど。明日から学校に通いましょうね」


 母親が現れてテレサに話かける。うちの母親は高校で化学を教えている。庶民私立なのでコネが効くらしい。


「母さん、このテレサ、何処で拾ってきたの?」

「それがね、金属ナトリウムに水を入れたら。爆発してその後の現場にテレサちゃんが現れたの」


 金属ナトリウムって普通に危険な物だろに。


「何故か試したくなったの」


 首を傾げる母親だがテレサの転生に必要なモノだったのかもしれない。


 しかし、本当に異世界からの転生者なのか?私が疑問の眼差しで見ていると。


「ぬぬぬぬぬ、我は王立魔術学園の特待生だぞ」

「本当か?」

「えーい、無礼な、我が魔術の錆びにしてくれる」


 テレサが魔術ステッキを取り出すと。


『えい』


 すると、テレサの穿いていたスカートこと王立魔術学園のチェックの制服が舞い上がる。


「きやややや!!!」


 うむ、白か。ホント、ムチムチだ。このシルクの光沢感がセクシーな体と馴染んでエロいな。


「止めて、止めて」

「魔術を止めたら?」


 テレサが魔術ステッキを捨てるとチェックのスカートは降りていく。ふう~と汗を拭うテレサは顔が真っ赤である。私は好奇心から魔術ステッキを拾い『えい』とすると。


「きやややや!!!!!」


 再びテレサのスカートが舞い上がる。


「我を辱めるのか?呪い殺すぞ」


 テレサはスカートを押えながら怒鳴るのであった。


 流石に可哀そうだ。私はテレサに魔法ステッキを返すと。何やらテレサの様子がおかしい。


「おのれ、これで我はお嫁に行けなくなった」

「そんな大げさな」

「我国では女性がスカートをめくられ、パンツを見られたなら、その者と結婚しなければならないのだ」


 しきたりか……異世界の事だけに生々しいな。私が小首を傾げていると。


「大体、スカートをめくりパンツを見るのは求婚の儀式なるぞ」


 テレサは頬を赤らめて言う。


 私の軽はずみな行動に文句をつけるが、魔法ステッキでパンツが見られるなどとは思わなかったのだ。これは困った、母さんに相談してみるか。


「あら、お嫁さんができたのね。お母さん、歓迎しちゃう」


 ダメだ。話にならない。ここは魔法でなんとかならないかと提案してみる。


「よし、いい度胸だ」


 テレサは再び魔法ステッキを使うと。また、スカートが舞い上がる。


「失敗ではないか、今度はパンツが食い込む!!!」


 確かにエロさが増している。少しパンチラを期待していたが、これは予想以上にエロい。それから、テレサは急いで魔法ステッキをしまう。


「ダメじゃ、もう、お嫁に行けない」


 見たところ、この世界に来て行くあても無かろう。仕方がない、うちで面倒みるか。


 こうして、テレサとの同居生活が始まった。


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