第15話

 Aと夫の粒子αを用いた実験が始まると、ヒッグス粒子が何度も検出された。それから施設内のパソコンの不具合、印刷された紙の異変も確認され始めた時、Aの家でも不可解な現象が起きていた。ただしそれを証明するものがなく、これは非公式な記録とされてしまった。Aと夫は実験結果を待つために部屋で過ごしていたが、誰もいないはずの2階から足音が聞こえてきた。正体を確かめに行こうとしたがその前にその足音のほうから、一階におり、2人の元へ向かってきた。姿は見えない。先にAが手を伸ばし、それに触れた。その次に夫もその存在を確かめた。そこには確かに何かいた。間違えようのない重みを感じた。ただ、それは夫に触れて間も無く消滅していった。

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