第94話 アイテムボックス
世界各地のダンジョンは超初級から初級へと変わっている。超初級が弱すぎたのが原因だと言われている。あれだけいっていたのにランクアップさせているのでしょうがない。
初級から中級はやはりランクアップされたのが何個かあるらしく厳戒態勢をしいている。
「まぁいっても聞かない奴らがいるのは分かってたけど」
「にしても多いよね」
テレビの前には三人娘。テレビでは連日の呼びかけをしている。
「宝箱が目の前にあったら取るか」
「攻略してテンション上がってたらねー」
「誰がやったかなんて分かんないですし」
かと言ってダンジョンに潜るのを規制したら強い冒険者がいなくなってしまうからなぁ。上級攻略者がいないのがまだ救いだな。
「うちの旦那様は?」
「需要と供給が間に合わないらしいですね」
「他の錬金術師が居るだろうに」
「その錬金術師もてんてこ舞いらしいですよ」
「そもそもブランクの魔法玉がないですよ」
「作れるんでしょ?」
「素材があれば」
「「「あぁ」」」
自衛隊駐屯地。
「これが聖玉、あとブランクの魔法玉とスクロール。これ作るの面倒だから失敗はさせないでね」
「助かります。上からせっつかれてるんですよ」
加藤さんも大変だなぁ。
「あっ、そうだ、小太郎さんみたいなアイテムボックスはないんですか?」
「あー、それはあるにはあるんですが迂闊に渡せないじゃないですか?最初から持ってる人はしょうがないにしろ」
「あ、そうですね。密輸なんかに使われたら大変です」
「まぁ、俺も似たようなもんですが」
「いや、分かって使ってる人にはいいスキルだと思います」
空間魔法の魔法玉を錬金術師が増やしたら大変だからな。もしそうなったらしょうがないけど。俺からは出すことはしないでおこう。
「いやどうもすいません。変なこと言って」
「いやこちらこそ、分かってもらえて嬉しいです」
アイテムボックスを持った奴が何かしなければ良いんだが。
あとはいつも通り雑談を少ししてから帰る。アイテムボックスを封じれるようなアイデアはないものか、ルーにでも聞いてみるか。
『転移』でルーのところまできた俺は土産にドーナッツを渡して、
「アイテムボックス持ちになにか対処出来ないかな?」
「封印魔法を使うとか?いや、あれは一時的なものか。スキル封じの腕輪があればいけるんじゃないかい?」
「スキルを封じてもアイテムボックスの中身はわからないんじゃないか?」
「スキル封じをしたらスキル自体が封じられるからアイテムボックスの中身も出てくるよ」
それは良かった、犯罪者につけたらすぐにわかるな。あとは封印魔法か、まだ知らない魔法もあるな。
「それはすぐに手に入るのか?」
「魔道具屋で売ってるよ。犯罪者に付けるからね」
よし、それならすぐに手に入りそうだ。
自由国家に来ている俺は魔道具屋にスキル封じの腕輪を見せてもらった。
「へぇ、もろ手錠じゃん」
「スキル封じがされているので触ってる間もスキルは発動しませんよ」
「これをつけて下さい」
革手のようなものを出して来た。
「これは?」
「これを付けるとスキル封じの腕輪を持っていてもスキルが発動するんですよ。アイテムボックス持ちだと中身がぶちまけられちまうんでさぁ」
ちなみにルナディアではこの革手だけでは売ってはいけないらしい。
検証は帰ってからだな。
「これをあるだけくれ」
「あるだけですか?何百にもなりますが」
「それだけあれば良いだろ」
「それもあるだけ頼む」
「まいど」
金貨がだいぶ飛んだが良い買い物だった。
ついでにブランクのスクロールと魔法玉も買っておいた。
魔法屋にもいったが封印の魔法玉はないそうで、ほかの魔法玉とスクロールを買ってかえることにした。
「帰るか」
俺は帰って家でのんびりする。
爺婆ズはさっきまでいたらしい、つぎの旅行先を決めているようだ。俺もついて行こうかな?行くだけいって戻ってくれば転移の幅が広がるし。
「次はどこに行くって?」
「近場で探してるみたいよ」
なら別に良いか。
「ただいまぁー」
「「「「おかえり」」」」
「ちょっ聞いてよ!今日は上級ダンジョンに行って来たんだけど、量が多すぎて半分くらいしか行けなかったの!」
「ブレイク間近だったのか?」
「かもしれないから明日も行くけど、ついて来てよ」
ブレイクされると困るからな。
「うし、明日はついていくよ」
「やった!」
「私もついていきます」
リアがついてくるそうだ。
ガンプは知らんぷりしてるからついてこないようだな。
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