第80話 お茶会


 家で寝るようになってからリアは来なくなったので良かった良かった。別に寂しいわけじゃないんだからね!

「さて、ダンジョン攻略でもして金稼ぐかねぇ」

 まだまだスクロールや魔法玉を売った金もあるし、ドロップ品を売った金もある。ならなんでダンジョンにいくのか。そこにダンジョンがあるからさ。

「ということで、ダンジョンに行きたい人ー!」

「「「はーい!」」」

「ん?ルージュは戦えるのか?」

「私もある程度戦える」

「そうなんだ、なん級くらい」

「中級はいけると思うよ」

「まじか!ただのお嬢様だと思ってた」

「赤の魔女の娘だよ?」

「そりゃそうか」

 赤の魔女って言えば、

「あー!ま、いっか」

 ルーのお使い忘れてたけどいつでもいいだろ。

 にしてもルージュの防具や武器はどうしようか?

「ルージュは防具と武器はどうする?」

「槍があればそれでいい。あとはみんなと一緒がいいかな」

「んじゃ革鎧かぁ。なんかいい素材あったかな?」

 錬金術で作れないこともないけど、本職に作ってもらった方がいいだろう。

「四人は初めてだけど大丈夫だろ?」

 みんなが手を握る。

『転移』 


 全員無事にルナディアについたな。

 来たのは聖教国、ルージュの鎧なら早めに作ってもらえると思ったからだ。

 まずは防具屋に行く。赤竜の皮はまだあるのでそれで革鎧を作ってもらう。

「これはこれはルージュ様ですか」

「うん、革鎧を作って欲しいの」

「赤竜の皮?!わかりましたが一週間頂きたい」

「やっぱり結構かかるもんだね」

 店主は焦っているが、ルージュはのんびりしたもんだ。

「分かったわ、じゃあいいものを作ってね」

「承知しました」


「さて、ルージュの鎧が出来るまでナしようか」

「お母様に会いに行くのは?」

「いいよ、そうだ、俺もルーにお使い頼まれてたんだ。ライラさんにあった後ちょっと行ってくる」

 城に行くと案内されてライラさんのところへ。

「へぇ、ルージュがダンジョンにね。ちゃんと守ってやっておくれよ」

「それはもちろんです」

「じゃあお茶会でもしようじゃないか」

 テラスに移動し、俺もお茶菓子にでもとドーナツをだす。

「美味しい」

「なぜ穴が空いておるんじゃ?」

「さぁ?そこまで詳しいわけではないので」

「だが美味いなぁ」

「あまぁーいー」

「美味しいです」

 みんなそれぞれたべているので、

「んじゃ俺はルーのお使いを終わらせてくるから」

「ならルーも連れてこい」

 ライラがそう言う。

「言ってみるよ」

『転移』


「ルー、お使いしてきたぞー」

「おぉ!待っておったぞ!」

 箱を渡すとすぐに開けて吸い始める。やっぱりタバコだったようだ。

「ライラんとこにいるんだけど、くる?」

「いかん」

「そう?ドーナツもあるけど」

「んん、行ってもいいぞ」

「んじゃ着替えてくれよ」

 ってすでに着替えていた。

「んじゃ聖教国のライラのとこに飛ぶよ」

「はいよ」

『転移』


「連れて来たよー、ってドーナツなくなった」

「いや、止まらなくて」

「美味しかったです」

「残そうと努力はした」

 それぞれ言い訳?をする。

「はい、追加でーす」

「ルーも座りなさいよ」

「あぁ、あの赤の魔女とはねぇ」

 ルーは座るとドーナツに手を伸ばす。

「うん!美味い」

「ルーはよく異世界に行っておるのだろ?」

「よくは行かないよ、あっちの世界だと十倍で時が過ぎるからね」

 ぱくつきながら話をする。

「なるほど。だからあんまりいかないのか」

 納得だな。

「ドーナッツおかわり」

「食い過ぎじゃないか?まぁいいか」

 三回目のお代わりを出してやる。

 奪い合うように両手にドーナッツをもっている。

 

 最近はリアも十分食べているから元気になって来たようだ。


「ルーよ」

「なんだい?」

「そう苦手意識を持たないでくれ」

「あぁ、あんたが荒れてる頃をしっているからねぇ」

「それはその、あの時は悪かった」

「いいよ、理由が理由だからねぇ」

 赤の魔女と黒の魔女の和解ねぇ。

「にしてもコタローは私にはこう言うものは持ってこないからねぇ」

「え?好きなの知らないし、自分で買いに行けるだろ?」

「お土産は別腹なんだよ」

「なら今度もっていくよ」


 赤の魔女のお茶会は和やかに終わった。

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