第46話 グレる


 あれから俺はグレた。


「あれ、小太郎様、帰らしたんじゃ」

「ダンジョンに潜ってくる」

 俺は五十階層に入り、モンスターに八つ当たりをする。

「オラオラかかってこい!」

 もう、俺を止められない!

 途中宝箱があるが、開けてすぐにアイテムボックスに突っ込む。ボスを倒してもおなじだ。が、とりあえず八十階層のボスを倒したところで虚しさに気付いて良かった。このままだと攻略してしまうところだからな。

「これは」

 宝箱に入っていたのは『マジックボックス(指輪型)』『錬金の魔法玉』

「よしっ!錬金術がてにはいる」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


コタロー・カザマ 十七歳

 レベル99

 力 LS+

 体 LS+

 速 LS-

 魔 LS+

 運 LS-

スキル 五行魔法(火・水・土・風・雷)        

    闇魔法 光魔法 聖魔法 回復魔法 転移魔法 時空間魔法 鑑定魔法 強化魔法 支援魔法 付与魔術 錬金術

    剣術 槍術 棍術 体術 盾術 感知 天歩 剛断 瞬歩

ユニーク 


 黒の魔女の弟子

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 全てがLSになり、錬金術も覚えた。

 もう無敵じゃね?

「俺の努力が実ったんだー!」


 さて帰るとするか。爺婆ズはユフィをたのしませたるだけだし。俺を除け者にしたことはゆるせねぇが、しょうがない。次は無いけどな!


 ダンジョンから出るとまた呼び出しを食らう。

「小太郎様、今日は何層まで行ったのですか?」

「八十階層までですが」

「?!八十でございますか?どんなモンスターが?」

 俺は出来る限り伝えた。

「はぁ、で?ドロップ品は」

「あるけど出します?結構な量ですよ?」

「あ、そ、倉庫の方へ」

「あ、それよりも、これってどう言う扱いですか?」

 俺は火の魔法玉を手に取る。

「こ、これは魔法玉でしゅか!?」

 あ。かんだ。可愛い。

「失礼しました。魔法玉は鑑定してからですがオークションが一般的で、ご自分で使う方もいらっしゃいます」

「一応五行魔法の魔法玉を持ってきてるんですが」

 五種類の魔法玉を取り出すと、

「ご。ご、ごきょ!?、」

 また噛んだ。


「前代未聞ですし、五行魔法とは?」

「火、水、土、風、雷ですね」

「い、今分かっているので火と水のみなのですが」

「じゃあなかったことに」

「あ、預からせてください!慎重に鑑定もしますので。お願いします」

 んー、まぁいいか、また買えばいいだけだし。

「ならどうぞ。一応自分でも鑑定したんで合ってると思いますよ」

「か、鑑定も持ってらっしゃるんですか?それも魔法玉で?」

「レアな魔法玉らしいですね」

「あ、あなたは何者なのですか?勇者ですか?勇者なんですよね?」

「しがない一般人ですよ。少しダンジョンに詳しいだけです」


「そ、そう言うことにしておきます。それではこの魔法玉はお預かりいたします」

 福田さんは一旦そとに出て行って帰ってきた。

「それではドロップ品は倉庫で買い取りいたしますが、入金はカードでよろしいですか?」

「カード?」

「はい、冒険者カードには普通の預金カードとしても使えるようになっていますので、あとさすがに小太郎様のドロップ品を現金で用意することは出来ないので」

「ならカードでお願いします」


 倉庫に向かうと職員が待ち構えていた。

「「「よろしくお願いします」」」

「こ、こちらこそ」

「では下の階層のドロップ品からお願いします」

「はい。五十階層のデスワームの皮と牙と魔生石」

 ドロップ品を取り出すと、職員が運んでいく。


「で最後に八十階層のグランドウルフの毛皮に牙、あと魔生石で最後になります」

「は、はい、ありがとうございます。しめて十三億7千二百万になります」

「……」

「……」

「す、凄いですね」

「はい、凄いです」


「このドロップ品って何に使われるんですか?」

「趣味で買う人もいれば装備に加工したりするそうですよ」

「へぇ、加工できる人も居るんですね!」

「はい、小太郎様の装備も」

「あ、これは買ったものですね、ワイバーンの皮が使われていてずっと使ってるんですよ」


「売っているんですか?」

「あ、知り合いからですがね」

「そ、そうですか」

 福田さんはガックリしたようだ。

「買ってきましょうか?」

「え!いいんですか?」

「あまり数はないと思いますしこれよりは数ランク落ちると思いますが」

「お願いします!お金は必ず用意しますので!」

 必死に頼んでくる福田さんに若干引きつつ了承する。


 さてと、忙しくなりそうだなぁ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る