第7話 ダンジョン
ルナディアに戻った俺は子爵領からまたスタートする。
「ここには上級ダンジョンがあるからそこを攻略するか」
子爵の館がある街、バレンシアは南側に広い農地があり、その農地を囲むように塀がある。そして住民街にも塀があり、中心部に子爵家の館がある。農地を過ぎると草原、森が広がっていて森の中に上級ダンジョンがある。
「ほんと遠いよ」
転移で行けたらいいのだが、一回行かないとイメージが出来ずに転移ができない。宿の女将に聞いたらバレンシアギルドで馬車が出ているが、朝早くに出ていき、夕方帰ってくるそうだ。
「歩いていくか」
トコトコと歩いて向かう、途中ホーンラビットなどが出てくるが斬ってアイテムボックスにいれる。
遠くに見えていた森の入り口もようやく通り過ぎて、ダンジョンのゲート入り口に着いた頃には夕暮れ時だった。
「転移」
宿に転移し、明日からダンジョントライだ。
アレクダンジョン 一階層
「迷宮型か、さて、チャチャッといきますかね」
走り、飛び、斬ってアイテムボックスにドロップ品を入れる。一階層目からスケルトン軍団とは豪勢なモンスター配置だが、ルーに扱かれた俺の敵ではない。
「あー、雑魚い雑魚いよ」
『カタカタカタ』
骨だけの相手などしたくもない。
初級ダンジョンが大体二十階層、中級が五十、上級が百階層近くある。まだ一階層目だからこんなとこで躓く訳がないのだ。
「今日で三十階層までは行くかな」
と思っていたのだが、
アレクダンジョン 七階層
「なーんで七階層にケンタウロスがいるかな!」
大体十五階層近くで出てくるモンスターだ。何故こんな浅い層で……って、ダンジョンブレイクが近いのかもしれないな。
弓を射るケンタウロスは三連射などスキルを使ってくるのでめんどくさい。が、倒せないほどではない。
『エアブラスト』
風魔法のエアブラストをぶつけて動きを止めると剣で斬って止めを刺す。
「んー、この調子だと階層主も強めかな?」
十階層ごとに階層主がいてボスとも呼ばれる強いモンスターが待っている。
アレクダンジョン 十階層
呪葬樹……呪いを撒き散らしながら地面から根を突き刺してくるトレントの亜種。
「なぁー!俺こいつ嫌い!」
『バーンクエイク』
大地が裂け炎が吹き荒れると呪葬樹は灰になってドロップ品を落とす。
呪いの杖、呪術のスクロール、魔生石、って魔生石しかいらねー。
「なんだよ、呪いの杖とか呪術のスクロールなんていつ使うんだって話だよ」
さっさと降りよう。
アレクダンジョン 十一階層
『キャァァァァ!』
前にも聞いたことのある叫び声は、
「お、おい!無事か!」
「コ、コタロー!爺が!」
そこには血塗れのサザンさんと青いミノタウロスがいた。
「何やってんだよ!」
ブルーミノタウロスかよ。
こちらに気付いたミノタウロスが戦斧を振り回し攻撃してくるのをしゃがんで避け、剣を振るうが皮膚が硬くて刃が通らない。
「こんなとこで使うのも勿体無いけど」
アイテムボックスから聖剣アスカロンを取り出す。
ミノタウロスが上段から振り下ろしてくる戦斧に合わせるように下から切り上げると戦斧は斬られて宙を舞う。すかさず心臓を一突きし、ブルーミノタウロスは倒れドロップ品に変わる。
「なんでここに?」
ハイポーションをサザンさんに半分振りかけると残りを飲ませる。
「だって……ここ最近アレクダンジョンにブレイクの兆候があるって聞いて」
「だからってシャイン達がくることないだろ?」
「ご、ごめんなさい……」
泣き出すくらいなら最初から来るな……って言うのは違うな。
「はぁ、サザンさんは大丈夫か?」
傷は治ってるみたいだが意識がまだない。
「…ん、眠ってるみたい」
「なら良かった。とりあえず連れて外に出るぞ」
十階層ごとに転移陣があり、そこからダンジョン前の転移陣に移動することができる。
「ここからは馬車で帰れるな?このダンジョンは浅い層でこれだ、間違いなくダンジョン ブレイクの兆候だから早く帰って知らせて来い」
「はい、コタロー。ごめんなさい」
「もういいから」
「気をつけてね」
「あぁ、そっちもな!」
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