第六話
それから十分くらい
女は振り返ると、やはり笑顔を作って俺に告げた。
「次、どうぞ」
俺も笑顔を作って、答えた。
「ありがとう」
医務室に入ってみると、そこは
看護師らしき女に「ベットに、うつ
すると男の声が、聞こえた。
「ちょっと痛むだろうが、
俺は何をされるんだろうとちょっと不安になったが、すぐに左脚のふくらはぎに
「いてっ」と思わず声を出したが、激痛は一瞬で終わった。
男は、冷静な口調で告げた。
「
少しすると、男は言った。
「よし、止血も終わった。君、あとは頼む」
すると女の声が、聞こえた。
「はい。それでは
俺が左脚に包帯が巻かれている感覚を感じていると、女は告げた。
「はい。これで手当ては終わりです。でも二、三日は無理をしないでください」
やはり彼らは医師と看護師なのだろう、しかも腕の良い。左脚の痛みは、だいぶ
取りあえずベットに横になると、大きな
はっきりと『れる』は、言った。来週の日曜日の第二回戦に参加しなかったら、その人物をペナルティ・スナイパーが頭を撃ち抜くと。俺は当然、今度こそ殺されるかも知れない第二回戦には参加したくなかった。でも参加しなかったから……。
俺は思わず壁を背に、しゃがみこんだ。そして目の前にあるテレビ、その隣にある
そしてこれからどうしようかと考えたが、やはりゲームで勝ち続けるしかないと思った。それにしてもあのゲーム、どこかで見たことがあるような気が……。
その時ふと、ゲーム会場で右隣にいた太った男の言葉を思い出した。このゲームは
そしてFPSとはファースト・パーソン・シューティングゲームという、主人公と同じ視点で操作するシューティングゲームだということが分かった。そしてスマホの画面に多くのFPSが表示された。俺はその中に、ユーチューブの広告で見たことがあるゲームを見つけた。『スコーピオン』というゲームだ。
詳しく調べてみると、
俺はそれをやってみて、確信した。ゲーム会場でプレイした、『アーツ』と似ている。いや、『アーツ』はこういうFPSを参考にして作られたんだと、確信した。そして考えた。このゲームで練習すれば『アーツ』という、あのとんでもないゲームで有利に戦えるんじゃないかと。俺は
ゲームが始まると、俺は取りあえず前進した。ステージは近未来的な建物が立ち並ぶ、
しかしこの『スコーピオン』はどんなに俺のキャラのライフが減ろうが、俺自身が撃たれるわけではない。だから俺は敵キャラに反撃されながらも、ピストルを撃ちまくった。だがもう一人の敵キャラが現れて、二人の敵キャラに攻撃されるとあっけなく俺のキャラは、やられた。そこで俺は、冷静になった。このゲームではどんなに攻撃されようが、俺自身が撃たれるわけではないことを再確認した。
「ふう……」と息を吐きだしもう一度、冷静になってゲームをプレイした。今度は何も考えずに前進するのではなく、建物に
俺は味方のキャラに攻撃されてひるんでいる敵キャラに、攻撃した。すると更に、味方のキャラがやってきた。三対一になるとやはり有利なのか、あっさりと敵キャラを倒すことができた。
そうやって俺のキャラを含めた三人のキャラは、敵キャラを見つけると三対一の戦闘に持ち込んで次々と敵キャラを倒していった。そうして気が付くと
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