【完結済】ライフがゼロになると、頭を撃ち抜かれます
久坂裕介
第一回戦 ステージ:ガレキ街
第一話
西暦二〇XX年十月。外は十月にふさわしい、少し冷たい風が吹いていたが、その部屋はエアコンで快適な温度が保たれていた。
「
「うむ。例えば賞金を十億円にすると、逆にうさん臭くなると
「なるほど……」
「というわけで賞金一億円で、このプロジェクトを進めてくれ、
晴海は鞍馬に、
「はっ! 了解しました!」
●
取りあえず『ほっ』としたが次の瞬間、俺の
しかも
すると右隣の太った男もそう考えたんだろう、立ち上がると叫んだ。
「じょ、
そして後方に、走り出した。すると『パアン』と
すると『れる』の大きな声が、再び会場に
「あ! そういえばこれも言い忘れてましたが、ゲームを途中で止めて逃げた場合、
それを聞いた俺は、やっぱり大声で
「ふざけんな、テメー! そういう説明はゲームが始まる前に、ちゃんと言えってんだよ!」
するとやはりこの場にふさわしくない、『れる』の
「ほら、私って、おっちょこちょいだから、また説明を忘れちゃった! てへ」
俺は再びツッコんでいる場合じゃないのに、ツッコんでしまった。
「だから、『てへ』じゃねえんだよーー!!」
俺は必死に、考えた。とにかく、このゲームから逃げることができないことは分かった。つまり生き
俺は撃たれた
●
一昨日の夕方。俺は家賃五万円のアパートで、スマホに送られてきたメールを読んでため息をついていた。
『選考結果のご連絡
株式会社
北村様にご応募いただいた書類について社内で厳正なる選考を行った結果、誠に残念ながら今回はご希望に
ご要望に添えず
俺は、
やっぱり工学部の方が、良かったかなあ……。そしたらどこかのメーカーに、入社できたかもなあ……。あ、ダメだ。俺、数学とか、全然分かんないんだ……。
それから夕食にいつものカップラーメンとおにぎりを一つ食べると、フローリングの床に
『とうとう日本の人口、一億人を切ったなあ……』
『九千万人を切るのも、時間の問題だってさあ……。当然、
『そんなこと気にしないで、今を楽しもうぜ!』
俺は趣味でスマホで、風景を
『そんなことより、俺はまだ内定を一つももらってないんだが(T_T)』
そしてツイッターを閉じて気晴らしに、ヒグチアイの『悪魔の子』のMVをユーチューブで観た。しかし全然、気晴らしにはならなかった。
だから少し早いが、寝ることにした。だがこれからのことを考えると、
そして皆はどうしているんだろうと思って、ベットで横になったまま再びツイッターを開いた。『就職活動』で検索してみようと思ったら、あるツイートを見つけた。
『優勝賞金一億円のゲームを
俺は思わず、
「は? 何だこりゃ?……」
優勝賞金一億円? そりゃ、それだけの金があれば、当分遊んで暮らせるな……。いや、株とか買ってうまく運用すれば、働かなくてもいいかも! そして決意した。これはこのゲームに参加するしかない! 『命知らずの方を募集します』って書いてあるけど、実際に死ぬことは無いだろう。だってゲームだし。死ぬゲームなんて、聞いたこと無いし。
だから俺はそのツイートに、ゲームに参加したいとDMを送った。そして本当に一億円が手に入ったらどうしようかと考えていたら、いつの間にか眠っていた。
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