25.オフトンダイヴ

「しししし……」


 俺が布団で寝ていると。隣室で寝ているはずのネレイドの笑い声が聞こえてきた。


「? ネレイド? どうしたんだよ?」

「しし……ししっ」


 俺が寝ている布団の上には、窓から月明かりが差しているものの。それとは反対側の真っ暗な部屋の中で。


 もぞもぞと音を立てながら、ネレイドが何かしている。


「とーっ!!」

「わあっ!!」


 なにか、弾力があるあったかいものが抱き着いてきた。

 なんだ? なんだなんだ?


「おりゃちゅーっ!」

「わっ! むぐっ……!!」


 ぷるんぷるんなものが、俺の口に押し当てられて。さらにその中から濡れたものが差し込まれてくる。


「ぷっはう。晩御飯に食べた焼き魚の味がする……。ししっ」

「ネレイド? 何したの?」

「ちゅー」

「ちゅー?」

「アルバド、ちゅー知らないの? せっぷんだよ?」


 月明かりの下に来たネレイドは。いつも着ている着物を脱いでいた。

 すっぽんぽん。全裸だった。


「? 何その恰好?」

「これから、えっちいことするから。脱いだ」

「えっちいこと?」

「なんもしらないんだね、アルバド。これから、あたしとアルバドは交尾するの」

「こ、交尾?!」

「わかってなくても、ここは反応してるね。兄ちゃんたちが言ってた通りだ。男は、好きな女の子の裸見ると。ここがこうなるって」


 ネレイドの頬が熱を持ってるのがわかるように色づいた。俺も、なんだか全身が熱くなってきて。衝動に任せるように体を自由にしたら。


「ん……」


 裸のネレイドを胸に抱きしめていた。なんだろ、凄く。

 凄く愛おしい。


「ちゅー。もう一回」

「うん……」


 こんどは、ネレイドからの不意打ちじゃない。俺からも進んで、接吻を交わした。


「む……むぅ」


 ネレイドが、俺の唇を割って、舌を差し入れてくる。おれも、ネレイドの歯を割って、舌を差し入れる。

 そのあいだにも、抱き合ったまま。

 ごろごろと転がりまわって、じゃれあった。


 身体の自由に任せて。ネレイドの青い肌を舐める。ネレイドも俺の体を舐める。二人して、唾液まみれになりながらも、また何度もキスをした。


「ん……。ねえ、おっぱい揉んで」

「うん……」


 ネレイドの、弾力を持って上向きに跳ね上がった乳首を舐めて、小ぶりの乳房をもむ。

 凄く……、揉みごたえがあって。おれは、全身の血が燃え上がるような感覚を覚えた。


「きもちいい……。でも……。ここからどうすればいいんだろう? 兄ちゃんたち、教えてくれなかったから、わかんないや」


 銀髪を揺らして、上気した声でそう言いながらも、ネレイドは。


 ひたすらにキスを重ねてくるだけで、それ以上のことをしようとしない。

 もっとも、それ以上の事っていうのがどういうものなのか。俺にもわからないけど。

 エッチなことを大人がやってたのは、ゴミの街では日常茶飯事だったけど。


 興味がなかったから、あんまり見てなかったしな。


 けっきょく。この日は、二人で体を触りあったり舐めあったり、キスを交わしたりおっぱいを揉むだけで、お互いに疲れて。


 二人で一つの布団に潜り込んで寝てしまった。

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