「一人称」と「三人称」ってどう違うの! 参考資料
【文芸コース】「一人称」と「三人称」ってどう違うの! | 文芸コース | 通信教育課程 より抜粋
https://www.kyoto-art.ac.jp/t-blog/?p=103694
「一人称」か「三人称」か。それが問題だ。
小説を書く上で、どこかの段階でどうしても「人称」を決定する必要があります。例えば次のような一文があったとしましょう。
風が吹いた。
この文章だけでは、「一人称」なのか「三人称」なのか、ちょっとわかりません。
甲:風が吹いた。
私は眼下に広がる町並みを眺め、期待に胸を膨らませた。
乙:風が吹いた。
男は眼下に広がる町並みを眺め、期待に胸を膨らませた。
上記の場合、甲は「一人称」の文章であり、乙は「三人称」の文章となります。文章自体を比べると、「私」が「男」になっただけ、1文字分しか違わないように読めますが……注目してもらいたいのは、1行目の意味性の差異にあります。
甲の場合、1行目の「風が吹いた。」という事象を観測しているのは、「私」です。したがって、これは主観的な判断であると言えます。本当はちっとも風なんか吹いていないのかもしれません。あるいは2行目の「期待に胸を膨らませた。」という表現から、1行目の「風が吹いた。」は自然現象としての風のことではなく、運が向いてきた、といったニュアンスを示す比喩的な表現なのかもしれません。
一方、乙の場合、1行目の「風が吹いた。」は純然たる客観的事実です(まあ、「男」の心理描写であって「男」の独白である、という読み方もできなくはないですし、そうした書き方は全然問題ないのですが)。作中において、「男」は実際に風を感じ、どこかの高台から町並みを眺めているわけです。
もちろん「一人称」なら主観的な記述がやりやすく、「三人称」だと客観的な描写に適している……と言いたいわけではありません。「一人称」の小説であっても客観的な構成は大切ですし、「三人称」の小説であっても登場人物たちの主観(にもとづく言動など)は重要です。
大事なことは「一人称」や「三人称」をどのように小説中で使うか、ということ
・・・以下は、ブログ参照ください。
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