第11話 母はわたしを

 ははがわたしを。

 性的せいてき対象たいしょうとしてんだのだと、づいたのは、いつだったろう。


 それは、突然いきなりはじまった。

 

 よるていると。


 かならずといっていいほど、ヘビのゆめをみるようになった。ヘビは、わたしのおなかをゆっくりとうごき、わたしのなかへとはいっていく。


 それがなにを意味いみするのか、よくわからなかった。


 ゆっくりとはいまわるヘビは、やがて、わたしのなかいちぎり、わたしのなかで、おおきくなっていく。


 ははは、わたしのことをあいしていないのに、しつこいぐらい世話せわをした。

 その理由りゆうが。愛撫あいぶのためであり、ふくっては、わたしにせたのは、はは生活せいかつ能力のうりょくがなく、ちちいえっていた資産しさんを、りもどせば、かなりのおかねがにはいるからだった。

 がむしゃらにはたらいたが、泡沫バブルがそれをゆるさなかった。


 けっきょくのところ、遊園地プレイグラウンドは、わたしが相続そうぞくすることはあきらめた。


 そして、そこから、家庭かていがくるいはじめた。

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百合百合な日々 荒川 麻衣 @arakawamai

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