「まったく。きみは、自分（じぶん）の教室（きょうしつ）にたどり着くまで、どれだけ迷子（まいご）になるつもりかい？」

　で、でたー！

　学園（がくえん）ものにつきもの、いや、百合漫画（ゆりまんが）にかならず出てくる、王子（おうじ）キャラ！

　王子（おうじ）キャラといっても、ちょっとドジで抜けているお姉（ねえ）さんだ。

「すまないね、先生（せんせい）。

　いつもいつも、ぼくの姫（ひめ）が迷惑（めいわく）をかけて」

　姫（ひめ）、と呼んでくるのはこの人（ひと）だけだ。

「どう見ても僕（ぼく）は男役（おとこやく）だろう」

「そう強がっているところもかわいいよ、姫（ひめ）」

　いつの間にか、せんせい、いや、教師（きょうし）は姿を消していた。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい