第404話 告白の夜に

タイトルの印象と裏腹に玲奈の欲望回です。

※性的な表現があります!ご注意ください!


☆ ☆ ☆


『じゃ、そろそろ帰ろうか?』


承くんの言葉に私はやさぐれながら返す、

…私が悪いよ…本当は私が勝手に来て、散々迷惑かけて…


でも!好きな者同士がここに来てまた距離を置くって!

わがままは100も承知だよ!



『この格好で?

胸元開いてて太ももまるだしだよ!

…このまま帰ったら…その…露出プレイだよ!』

※自分が濡れてやって来た為です。



『露出プレイ?!

…望の服でなんか無い?』


承くんがびっくりしながらおうむ返し

あるよ、着れるサイズの服なら。

長袖ジャージならキチンと露出無く入るだろうね。


『…無い。承くんの服貸して?』


少し首を傾げておねだり♪

承くんは思いついたように、


『そうだ!壁にかかってるワンピース!

元々香椎さんの服でしょ!

まだ着れるけど譲って貰った!って聞いた!』


そう来たか…


『2年前の服だよ?

あと、胸が苦しくなったの…。』


承くんが真っ赤になった!

意識したかな?胸大きくなってるよ!


『…香椎さん…俺の服の匂い気になるんでしょ?』


『…いや…あれは本能と言うか…。』

ごにょごにょ…。

私は言えない!


『…じゃあ、洗濯済みのこの辺…

洗濯してもその人の匂いするって言うもんなぁ…。』


…承くんは私が匂い気にしてるって思ってる…

してるよ!でもそれは…良い意味で!

私!承くんの匂いすきなのー!

…いたす時…その…ジップロックで…

絶対に言えない…承くんの持ってる私の清純清楚なイメージが…!

でも、名残惜しくって…。


『もう帰らなきゃだめ?』


『だめ。

これ以上は不貞案件です。』


ふう。私は諦めて帰る事にする。

折角告白して貰ったのに…残念…。

承くんがどれでも良いから着替えて下降りて来て。

そう言って一階へ降りて行く…。


『うん、すぐ行くね?』


トントントントン、


立花家は結構急な階段。

テンポよく降りて行く音が響く…。



ゴクリ。


コレでこの部屋にひとりきり…!


ゆっくり、ベッドに腰掛けて…階下の気配…大丈夫。

一階に承くんは居る…!


水が流れる様に…淀みなく…高きから低きに流れるが如く…軽やかに…自然な流れで…


私は望ちゃんの丈の短い部屋着をするりと脱ぐと…

承くんベッドにするりと入り込む!

…私の身を包むのは…借りたショーツだけ…!


…承くん知ったらどうするかな?がっかりするかな?えっちな娘だって思うかな?

手短に速やかに効率よく疑念を持たれない速さで!


お布団の中で私は…


『くんくん!くんくんくん!

くんかくんか♪』



しゅごい、しゅごいよ!

※ひーちゃん感動時と同リアクションw


布団の中で枕にグリングリン顔を埋めて!

全力で承くんの匂いに包まれて!

※おっぱい丸出しでほぼ裸です。


『承くんが知ったら幻滅しちゃうよぅ…!』

※そう言いながら自分の身体を全力で布団に擦り付けていますw


『香椎さん準備できた?行ける?』


『ふにゃぁ?』


行けるって言うか…イッちゃうとこだった…!

危なかった…告白された夜に…お布団で勝手に致すところだった…!

あぶないよ!長年の待った甲斐あって告白して貰った日にひとりで致すところ見られたら…死んじゃう!私死んじゃう!



ふう。人の欲望には際限が無い。

…あんなに悲しい気持ちでこの家に承くんを訪ねて来て…

悲しい事になるどころか嬉しい事、心強い事言って貰えて…私…ちょっと舞い上がっていたのかも。

※我を忘れていました。



よし…この中から選んで服借りて帰ろ?



…!



コレにしよう!




☆ ☆ ☆

『お待たせ♪』


可愛く承くんに微笑みかける。


『?

それ?それ洗濯済みどころか!今日洗う部屋着!』


承くんあたふた!


『あれ?そうだった?』


知ってる!精査した結果!コレに行きつきました!


『そうだよ!何日も着た部屋着!もう洗濯しなきゃ!』


『4日かな?』


『そうそう…ってなんでわかったの?』


『…。』

※承くんソムリエ二級です。


承くんと目を合わせずに私は先を促す、

承くんは困った顔していいの?を連呼するけど…



『コレがいいのぉ!コレ着て帰るぅ!』


って私の中の欲しがり玲奈は叫んでて一向に曲げなかったのね…?

代わりにね?借りた部屋着くんくんしても良いよ?

わざと畳まずに承くんベッドに脱いだままの形に…脱ぎ散らかすって感んじじゃなくて…脱いであるよ!

※承にとっては妹の服です。


私は承くんに送って貰って家に帰ったよ…。

承くんは完全に香椎さん呼びだったね…。



☆ ☆ ☆


『〜っっ♡

ふにゃあっ♡』



ふーっ…承くぅん…♡

色々あって久しぶりの感覚が強烈なのは真新しいブツ匂いをキメたから!

純度の高い中毒性の高い危険なモノ…!


まさか4日モノのヴィンテージが手に入るなんて…!

私は愛おしく抱きしめながらまた襟口に顔を埋めて…


『くんくん!くんくんくん!』


…。



…。



…。




15分後…


『私…ジャージ返しに行って…部屋着回収して帰って来た?

…半裸で布団にマーキングまでして…?!』



賢者タイムに我に帰った私は今日一日の自分の仕出かしっぷりに震えた…!




☆ ☆ ☆

この日、立花承は長年の想いを香椎玲奈に伝えた。


承『だから笑って欲しい。

玲奈さんが笑ってくれるなら俺は何でも出来るしどんな事だって出来る。

…全て終わったら…返事聞かせてほしい。

…俺は玲奈さんの笑顔をいつも、いつまでも見ていたいんだ。』


香椎玲奈はこの言葉の意味をある意味求婚プロポーズと捉えた。

返事聞かせてほしいって言葉も、

承は好き!って伝えて君はどう思ってる?って意味だけど、

玲奈は求婚に対する返事を全て終わったら聞かせてほしいって意味で捉えた。


想いを伝えるのに精一杯で尚且つ大問題中で『付き合って』など具体的な事は言わなかった承が悪いのだが、告白を待ち続けたせいで3段階ほど先の行程を見ている玲奈の認識の齟齬が露わになるのはもう少し先のはなし。


…何はともあれ、先は前途多難だけどもふたりにとって忘れられない一日だった。



☆ ☆ ☆

書きかけて寝落ちしたら…3時間経ってた…!

タイムトラベルして来た様な気分w


告白編がこれで一区切り。

告白と玲奈のhentai回は一括りw

この後のぞひーが帰宅します。

あるの足りなくなったひーちゃん成分補給回ですw


宏介サイドと時系列が離されまくりw

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