第37話 2年になっても変わらない

こうしてぼっちな俺は2年生になる。まさに厨二。

朝宏介の家に寄って一緒にクラス発表を見にいく。

望みは宏介と一緒のクラス。



『1組だ、宏介は?』


『3組。』


マジか…。3年生になる際にはクラス変え無いらしいからもう卒業までこのままか。

クラスには外町が居たり、うるさい小石がいたり、香椎さんもいた。

3クラスを振り分けるから大体前のクラスの人は3分の1くらいになる。


クラスに入ると香椎さんが話しかけてくれた。

『立花くん!また一緒のクラスだね!よろしくね!』


『うん、よろし『また香椎さんと一緒だねよろしく!卒業までみんなで頑張ろう!』


外町が遮って香椎さんに話しかけた。

外町(ソトマチ)

立花(タチバナ)

必ず50音順だと出席NOがこいつと隣接する。


まあ、いいかと思ってふと隣を見ると伊勢さんっていうギャルがこっちをジーって見ていた。

(ギャル怖い…。)


伊勢さんは小さい頃一緒のクラスだった時にはお人形のような可愛い女の子で気の弱い優しい子だったはずだけど…。


『何見てんのー?』


『いや、ごめん。』

(そっちが見てたんじゃ?)


今も可愛いんだけど気の強そうな派手な美人って感じに育っていた。

明るめの茶髪に染めて制服も着くずしてスカートも短い。胸元もすっごい開けている。

気が強くて怖いわりに人気があるのはその大きく主張するバストで男子生徒間では大人気なギャル系女の子。ホントに中学生なの?



香椎さんは今回小幡さんが別クラスになってしまいちょっとしょんぼり。

伊勢さんは香椎さんと別派閥のリーダーなのだがあまり仲良くないって聞いてるからこのクラスの女子は勢力争いがあるかもしれない。

男子も外町派閥が人数減少、中立派の2人組とか多いのでそれを取り込んでいくと外町派閥がクラス男子トップカーストになるだろう。

男子では完くんっていうフィジカルモンスターの野球部マッスル派閥が4人居て多分第二勢力だが完くんがマッスル至上主義でマラソン大会上位の僕に好感を持ってくれている(珍しい)為に俺に対し好意的中立が見込める。ちなみにマラソン大会優勝は完くん。



去年より面子的には問題少なそう。青井や田中もクラス別れてまた今年もクラスに友達の居ないぼっち学園生活が始まる。



朝HRで担任は美術の柳先生だった、あんまり印象のない中年男性教諭って感じ。

クラス委員長は外町と香椎さんがそれぞれ立候補して即決まった。

万が一また小石とかに担ぎ上げられるんじゃないか?って変な汗が出ていた。良かった。

先生は割と放任主義なのでクラス委員長は大変だよーって言っていた。いや自分で言うなよ。去年の担任よりはマシだろうけど。

そしてそのまま委員を決めていく。去年もそんな流れだったよね、なんか懐かしい気持ちで思い出しているとチラチラ香椎さんと目が合う。

(気を使わせちゃったかな?)





僕はまだ委員長にこだわりがあるみたいだった。トラウマとも未練とも後悔とも何とも言えない。

でも香椎さんとクラス委員長を全うできなかったことは今でも悔しい。

色々説明はあったがもう2年生で今更目新しいことはそんなにない。

進路的な提出物やアンケートは増えるらしいよ。


色々委員も決まっていく。ぼっちな僕はそれを見ながらぼんやりひっそり。


『ねえ。』


伊勢さんが話しかけてきた。


『あんたなんかやんないのー?』


『いや特には?』



『あんたさあ、本当に青井にケンカで勝ったのー?しかも2回?』


『色々あって…。』

(ヤンキー漫画の展開だ!)


驚愕した、これこの後伊勢さんが絡まれてるとこを良いところで助けて素直になれない伊勢さんと段々仲良くなっていくやつ?

…そんなわけない。


ちょっと聞きたいことあるから放課後顔貸してー?って言われた。

断ったけど無理矢理約束させられた。


放課後。

香椎さんが話しかけてきた。


『立花くん、ちょっとい『先約があるからー、遠慮して香椎玲奈。』』


香椎さんを遮って伊勢さんが入ってくる。

珍しくむっとした香椎さんはすぐに笑顔で


『…。しょうがないよね?邪魔してごめんね!』



やはり香椎さんにしては珍しいなんかピリピリした雰囲気?伊勢さんもピリピリしてる?本当に仲悪いのかな?


『こっち立花ー!』


連行されていく。これ本当に溜まり場とか連れて行かれてボコされるんじゃない?


美術室や理科室などある特別教室棟の階段に連れて行かれる。

周りに人気は無い、雰囲気からして絶対色恋じゃないしそもそも伊勢さんとここまで接点もない。

え?本当にボコられる?



『あんたのさあ、いじめの話と青井の一件の話聞かせて欲しいんだけどー?』




ーーーーーーーーーーーーーーー

青井の自白直後、怖い先輩が見にきてホント怖い!って愚痴ってた時の話。

その日伊勢さんは噂の立花を見にきた。


『…。』

(あれが立花?そんなに強そうじゃないじゃん?)



『…。』

(なんかおっぱい大きいヤンキーの先輩がこっち睨んでる!)


承は怖くて目を合わせなかったから横目でおっぱい大きい伊勢さんはきっと先輩女子なんだと思っていた。




ーーーーーーーーーーーーーー

香椎『…。』


香椎さん激おこです。

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