委員長に恋した自分の話
ある
青い中学生編
第1話 委員長就任(させられる)
ぼっちの俺をクラス委員長に?いやいや何考えてるの?
俺は立花 承(タチバナ ショウ)
残念ながらこのクラス内に友達が居ない。
中学生になり数日たった 4月の上旬のホームルームでクラスの委員長を男女1人ずつ選出することになった。
この中学校はこの地域の小学生がそのまま持ち上がった編成で全員が顔見知り。
小学校での顔ぶれと全く変化の無いいつもの面子でクラスの委員長を出来る顔ぶれは大体決まっている。
立候補は居ない。そうすると他薦になるが。
「立花君が良いと思いまーす!」
「僕も立花くんが良いと思います!」
数人が俺の名前を挙げる。
去年の小学6年生の1学期に一回クラスの委員長をして本当に向かないと実感していたから絶対にやりたくなかった。
俺は自分がいじられたら色々つっこむし、言い返せない子がいじられている時もツッコんでたから陽キャに目をつけられてた。
そもそもぼっちの俺をクラス委員長にする意味がわからないし苦難の道しか見えない。委員長に必要な能力としてクラスをまとめる統率力、コミュニケーション能力や勤勉さや責任感など求められるが俺にはそうゆう能力はあまり無い。
クラスの陽キャの数人が俺を推薦する。特に小石が、あのうるさい奴がしつこい。
慌てて言った。
『いや、俺はコミュニケーション能力が低いし人望も無いから無理だよ!
揃いも揃って見る目無いな!』
「大丈夫、みんなでフォローするって!」
「立花君しか居ないって!なんかあれば協力するよ!」
いやらしく笑う陽キャの群れに心の中で毒づきながら、でもでもだってする俺。
焦れた担任がみんなもこう言っているけど?どう?女子の委員長も決めなきゃいけないし…。
じわじわ圧力をかけてくる。
これを見て俺が人気でみんなが推薦してるように見えるなら教師としてどうかと思う。
場は俺がごねているのが悪いと言わんばかり、お前が間違っているとばかりに圧力を強める。
陽キャたちの後ろで外町が微笑んでいた。この学年のカーストトップ。
小学生の頃の成績は優秀、イケメン、スポーツ万能でサッカー部の司令塔、児童会長もやってた。
どう考えてもこのクラスなら外町がクラス委員長にふさわしい。
そんな男がこの光景を見て微笑んでいる。
わかった、これはこいつが仕組んだ事だと。
心から俺が良いと思って推薦してくれる人が1人も居ないこんな状態で俺はクラス委員長を引き受けさせられた。
本当は誰一人望んでいないのにね?
『何て日だ!!』
渾身のバイきんぐ小峠さんを意識した一言はみんなにスルーされた。
思い思いに雑談するクラスメイトたちには俺がクラス委員長になった事などもう過ぎた事だと言わんばかりでまだこっちは受け止めきれていないんだと声を大にして言いたいと思った。
「じゃあ女子のクラス委員長を決めるぞー、立候補はいるかー?」
先生の問いかけに静かになる教室。
なかなか自分で立候補出来ないよね?
しばらくの沈黙のあとであまり大きくは無いがよく通る声がした。
『はい、もし他に立候補が居ないようなら立候補します。』
名乗り出たのは香椎 玲奈(カシイ レイナ)だった。
子供の頃からの憧れの女の子だった。
学校1の美人、文武両道で多才な完璧女子の異名を持つ女の子だった。
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