第9話
「ねぇねぇ、平民の出で転入出来るって結構すごいと思うんだけど、何が出来るの?」
「そもそもこの学園に平民で入れるだけで凄いわよね」
「というか、髪めちゃくちゃさらさらできれいじゃない?普段どんな手入れしているの?」
「肌もすべすべでもちもちよ」
「小っちゃくてかわいい」
「しかもなんかすっごく良い匂いがする!蕩けそう!」
朝の会後。
僕はクラスメートの女子から囲まれ、ちやほやされていた……ふふふ。やはり平民なんて関係ないのだ。
可愛いは正義!見た目さえ良ければ大体のことが許されるんや!
隣の女の子で下がった自己肯定感が爆上がりやで!
「僕はちょっと魔法の呪文が出来るだよね。肌とか髪の手入れとかも自分で作った魔法のおかげだし、匂いも僕の魔法に関係あるね!」
「えー!凄い!」
「呪文作れるとか天才じゃん!」
「ちょっと私たちにも教えてくれない?」
「ただじゃちょっとねー、僕も一応しがない特許売りの一人ではあるのだし?ちなみに女性用の魔法の呪文結構多く作っているんだよ、僕。髪の手入れ、肌の手入れ、ダイエット……見た目に関する魔法は数知れず。ちょっとデリケートな話になるけど生理の苦しみを和らげる魔法なんてものもあるから」
「全部、買うわ。いくら?」
「ちょっと父に連絡を……」
「私の小遣いいくらあったかしら……」
僕の言葉に対して周りにいた女子たち全員の目の色が変わり、金銭面についての生々しい話へと変わる。
「ふふふ。僕も寛大な男の子だからね。最初の一か月間は特許なしで使わせてあげるよ!そのあとはちゃんと特許料払ってもらうけどね!」
「おー!神!」
「それはあまりにもデカすぎるわ!」
「頂戴!」
そんな僕の言葉に対して歓声を上げるクラスの女子たち。
「ふふふ……僕なしでは生きれない体にしてあげるよ」
それに対して僕はドヤ顔をバッチリと決めて不敵な笑みを漏らす。
「「「キャー!」」」
「……よくよく考えれば確かに不味くないかしら?どう考えてもそんな便利な魔法を教えてもらっちゃったら絶対にもう離れられない……一生金を吸われるんじゃないかしら?」
特許料も確かに稼げる……だけど、やっぱりそれ以上に金貸しって金になると思うんだよね。
ふふふ……学生を僕の魔法からは離れられない体にして高額な特許料を分捕り、足りない子には僕がお金を貸してあげるとしよう。
貴族の娘であったらちゃんと借金も返してくれることでしょう……ふふふ。僕の借金を踏み倒すわけにもいくまい。
僕は女の子にちやほやされて笑みを漏らし、金儲けのことを考えてこっそり心の名で邪悪な笑みを浮かべた。
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