第二章 復讐劇

1  陽菜とデート、乱入者心陽

 デート当日。今日は、近くの繁華街に出て二人でブラブラするつもりだ。


 うん?なに?お前はまだ一応小野田っていう彼女がいるんじゃないかって?


 そんなの、陽菜に、『湊さんが、小野田さんにあげるプレゼントについてのアドバイスがほしいって言われたのでついてきたんです…』って言ってもらえばいいんじゃないか?


 もう、俺はあんな奴に微塵も興味はないんだから。


 おっ。陽菜が来た。


「おはようございます!」


 ……めっちゃかわいいんだが。っと、見惚れてる場合じゃなくて、褒めないと。


「……陽菜、めっちゃかわいいよ。その服、よく似合ってるな。」


「……ありがとうございます。そんなに直球に褒められるとは思わなくて、少し恥ずかしいです。」


「あぁ!ごめん。悪かったな。」


「いえいえ。むしろ、嬉しくて顔が赤くなってそうなので…」


「嬉しいのか、良かった。んじゃ、行こっか。」


 歩き出すと同時に、俺は陽菜の手を取る。


 それだけで幸せになれるってもんだから、人ってのはなんて単純なんだろうか。


「いやぁ…。人多いなぁ…」


「本当多いですね…。けど、わたしたちが一緒にいるところを見られないって、ポジティブに考えていきましょう。」


「俺は別に見られてもいいんだけどな。」


「……私が嫌なんです。まだこの関係は二人きりの秘密であってほしいので。」


 ……本当にかわいすぎるだろ。


「っ……うん。じゃあ、そういうことで行こうか。」


「あれ?湊さん、照れてます?照れてますよね?ねぇねぇ?」


「あぁ照れてるよ!……だって陽菜がかわいすぎるから。」


「………」


 あ、やばい。このままいったら二人とも照れて動けなくなっちまう。


「と、とりあえず、行こうか。」


「そ、そうですね。」



 ______



 ということでぶらぶら歩いているのだが、意外と周りにカップルが少ないということに気がついた。


 どちらかといえば、友達ときてる人のほうが多いみたいで。


「えっ。あの人たち…」


 と、後ろから驚いたような声がしたので周りを見渡すと、有名な芸能人が撮影で来ていた。


 こんな昼間に撮影ってするんだな。カメラマンとかもめっちゃ多いし。


「湊さん?ちょっとそこの店に入りませんか??」


 陽菜は、有名人よりもアクセサリーショップに行きたいらしい。


 陽菜って意外とこういうのとか見ない人なんだな。


「いいぞ?」


 かくいう俺もあまり興味がないのでアクセショップへ。


 店の中に入ると、陽菜に手を引かれて奥の方に連れて行かれた。すると、急に陽菜は


「湊さん!気づいてなかったんですか?『えっ。あの人たち…』って言ってたの、小野田さんですよ!?私達が二人でいるってバレたらどうするんですか?」


 っと、衝撃の発言を。


「はっ、はぁっ!?いや、あの芸能人に向かって言ったんじゃ?本当にあいつだったのか?」


「ええ。多分、気づかれました。まぁ手を繋いでいたのがバレたらそれまでですが、バレてないことにかけた方がいいと思います。今は、いったんこのことを共有したかったので、この店に…」


「あぁ。ありがとう。じゃあ、ここでアクセサリーを買って、言い訳作っとくか?」


「そうですね。」


 ということで、アクセサリー(適当)を買い、今度は手を繋がずに店を出る。


 するとすぐに、


「ねぇ。湊?」


 あいつが声をかけてきたのであった。





_______





 こうやってコソコソしてると見つかる運命。


 このピンチ、どうやって乗り切るのでしょうか。


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