大丈夫、だから
如月ちょこ
第1話
学校で友達ができずに辛くなってしまった、俺。
暗い夕方、友達もいないので一人で遊びに行っていた帰り道。
雨が降っていた中、人気のない踏切の遮断器が開くのを待っていると、傘もさしていない、俺と同じくらいの年齢の少女がいた。
何をしているのだろうか?自殺?とにかく話しかけてみよう。
「なにやってるんですか?傘もささないで。風邪ひいちゃいますよ。」
振り向いた彼女の目は、冷たい。何故話しかけてきたのか、とでも言いたげな表情をしている。
「………家出」
家出じゃあないな、この感じ。けど、今ここでそれを指摘すると電車に飛び込まれるだろう。
適当に傘でも渡して去るか。
「濡れたらいけないので、傘あげますよ。」
「……なんで。あなたが濡れる。」
「いいんですよ。僕は大丈夫、なので。」
そう言い残し、その場を去る。
少女はまだぽかんとしているが、もう関係のないことだ。俺は濡れても大丈夫だから、彼女に傘をあげただけ。
______________________
翌日、この地域ニュースで、男子高校生が電車に身を投げ自殺。というニュースが報道された。
だから言っただろう?俺は濡れても「大丈夫」だって。
大丈夫、だから 如月ちょこ @tyoko_san_dayo0131
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