声優志望だった友人に聞いた、レジェンド声優林原めぐみ伝説

 まだ無名中の無名だった、声優養成所時代の林原めぐみ。


 他の声優志望の生徒数人とともに、演技のレッスンを受けることになった。


 演技の指導者は「『無人島に流れ着いた人』というシチュエーションで演技をせよ」という課題を出した。


 林原めぐみ以外の生徒の演技は大体こんな感じだ。



「よーい、スタート!」


 ――ハッ!? (気を失っているところから気が付く)

 ここは、どこだ……? 無人島に流れ着いてしまったのか……? (辺りを見回す)

 これから、どうすれば……? (フラフラと立ち上がる)



「君ぃ! 演技がなっとらんよ!」

 当然、指導者から厳しい演技指導が入る。


 そして、林原めぐみが演技をする番になった。


「よーい、スタート!」


 …………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… (最初の倒れたところからピクリとも動かず、一言も発さない)



「ど、どうしたんだ!?」

 見かねた指導者が慌てて林原めぐみに声を掛ける。


 すると、林原めぐみは全く動かずに一言、こう言った。

「無人島に流れ着いて、そのまま死んだ人」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る