エッセ

市川タケハル

人に合わせることってめんどくさい

 人に合わせることってめんどくさいんですよ。

 めんどくさい。


 空気を読めとか言うけど、いや知らねえよ、と。


 読みたきゃ勝手に読んでればいいだけで、それを他人に押し付けるなと。


 俺は独りが好きだし自分のやりたいことをやりたいだけだから、空気がどうのとかマジでめんどくさい。


 空気は吸うものであって読むものじゃねえ。


 まあ、こんな性格だから、よく白い目で見られる。


 きっと、陰では嫌われていたりするんだろな、と。


 まあ、いいんだけど。


 嫌いの根源は羨望(うらやましさ)である。


 嫌われる奴は、つまり、それだけ羨ましがられているってことでもある。


 ある意味、嫌われ者は幸せ者だ。


 人は、自分にないものを持っている者を羨む。


 財力だとか知力だとかモテだとか社会的地位だとか。


 成功者が嫌われるのも、結局は羨ましいからだ。


 哲学用語で言う「ルサンチマン」


 人間なんて勝手なものである。


 もちろん、自分含めて。


 でも、自分自身の“勝手さ”を素直に認めてしまったら、最悪自分の居場所を失う。


 だから、勝手さを隠して、勝手さを表出させる。


 その一つが「空気を読め」という同調圧力だったりする。


 いや、俺は“勝手さ”がダメだとは全く思わない。


 むしろ、勝手で良いと思う。


 素直に自分が勝手であることを認めればいいと思う。


 勝手なんだもん、それでいいじゃん、と。


 下手に利他なんて嘯く必要なんてない。


 空気を読んで欲しいのは、他人が自分より目立つのが嫌だから。


 嫌われたくないのは自分の居場所を失いたくないから。


 そんなもん、人なんて。


 でもいいじゃない。


 それが人間なんだし。


 自分に嘘を吐いても仕方ない。


 エゴまみれだけど、エゴがなければ生きられないのも事実ではあるし。


 そのエゴ、“勝手さ”を素直に認めて、それを隠さず生きたらいいじゃない。


 って、まあ、そういう奴は嫌われるけどな。


 だって、自分に素直になれる奴は案外少ない。


 ほとんどの奴は自分に言い訳をしつつ生きてる。


 だから、自分に素直な奴は羨ましがられる。


 だから、嫌われもする。


 ま、そんなもんだよ、人なんて。


 閑話休題。

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