隊員募集編3

隊員募集編三

 一番隊の隊員が増え少しだった。

 服部、氷室三席は二十名ずつ。他の四席五席の六班は十名ずつな人数で訓練している。

 隊長所属は繭、智花、ゆりの三名。加藤副隊長は直接ではない。

 噂で翔はハーレムを作っているとなっていた。


「人数増えたなー」

 翔が隊長部屋で書類を片付けながら話す。


「まー中隊ですからね」

 智花は苦笑いで答える。


「連携はどー?」

 翔は加藤に聞く。


「今各リーダーが頑張っています。もう少しかかるかと」加藤は現状を話す。


「そう」

 翔は返事をし書類を進める。


「ねー翔はいつ隊員を増やすの?」

 繭は直属の話を振る。


「ゆり、ここの書類おかしくない?」

 翔はスルーしゆりに書類を渡す。


「ちょっ聞いてる!」

 繭はクワって翔を見る。

 ゆりは初め永瀬さんとか永瀬隊員とか呼ばれていたが、繭と智花は下の名前で呼ばれていたため、ゆりも私もと言ったのだった。


「聞いてるよ。でも他って言われてもなー!」

 翔は繭に返事をする。


「そこを決めるのが隊長でしょ!」

 繭はしっかりしてと言う。


「あ、あのー。すいません。いいですか?!」

 ゆりが話したいと申し訳なさそうに言う。


「ええ、大丈夫よ」

 繭は笑顔で返信し翔は頷く。


「私も思いまして付箋を貼らせて頂きました。この書類加算増しされてるかもしれません!」

 ゆりが話す。

「えーっとこの物品調べたら一点八千四百五十円でした」

 とゆりが指摘する。現に十個発注されているが金額が合わない。高く請求されている。


「ゆりさんもすごいけど、翔どうして分かったの?」

 繭は不思議そうに話す。


「以前お父さんが物品の金額は覚えて置くといいと言っていてね、覚えていたんだよ!」

 翔は代表から助言があったと話す。


「そんなことがあったんだ!ってかいつあったの?!」

 繭は納得していつ会ったのか驚く。最近は家にも帰れて居なく、豊と会ってすら居なかった。


「小さい時だよ!まだお母さんいる時だから小学生の頃だね!」

 翔は小さい頃と話す。


「えーっともしかして覚えていたってこと?!」

 ゆりは智花に聞く。


「そう見たいね…!すごいよね!!」

 智花も驚いたと話す。


「ちょっといいですか?!」

 加藤がゆりと智花の間に入り書類を受け取り中を見る。


「…………よく気づきましたね!確かに金額おかしいですね!値上がったと聞いてはいないので横領ですかね?まだ分からないのでこの件は大事にしないでください」

 加藤は引き受けると話書類を持って行く。


 後日移籍して来た隊員のリーダーが班の隊員の人数分発注し少し高く請求したと白状したのだった。

 その隊員は席剥奪と減給の処遇を受けた。


「すごいですね翔隊長!」

 ゆりは翔の観察目に驚き智花に話していた。


「直接言ってあげたら?喜ぶわよ」

 智花はクスッと笑いゆりに話す。


「えっ!恐れ多いわよ」

 ゆりが恐縮する。


「……」

 翔が智花とゆりの話が耳に入り剥れる。


「あーあ知らないわよ!」

 智花はクスクスと笑いながらゆりに翔を見るよう合図送る。


「えっ!あっ!違うんです隊長!!」

 ゆりは智花の意味をようやく理解し翔に弁明する。


「どう違うのかなゆりさん?永瀬さん?」

 翔は剥れながらジドーと見る。


「え!えっ!」

 ゆりは周りをキョロキョロし助けを求める。智花はクスクス笑い、繭はやれやれという顔になっていた。

 加藤は関わらないよう書類を黙々と進めていた。


「コンコン失礼します!」

 返事を待たず慌てて隊員が飛び込んできたのだった。

 

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