テッド=グレイトデッドは不死身である

ハザマ

第1話

 テッド=グレイトデッドは不死身である。


 最初に死んだのは、12歳の時。


「こら!テッド!階段で走ったらダメよ」


「はーい!」


 死んだ。

 首が曲がっていた。

 幸いなことに、我が家は土葬だった。


 家に帰るわけにも行かず、12歳で旅に出た。


 旅の途中。


「おい。ガキが家出か?金持ってんだろ?」


「素寒貧です!」


 死んだ。

 身体中、痣だらけで、腕は変な方向を向いていた。

 幸いなことに、服は残っていた。


 2年後。


「グルル」


「かわいいワンちゃん!」


 死んだ。

 首がちぎれていた。

 幸いなことに、ワンちゃんはお腹いっぱいになったらしい。



 あれから2年。16歳になった。


 そんなこんながあり、今ここにいる。


 魔法都市国家アドミニスト。


 魔法使いの国。


 世界最高峰の魔法使いが集まり、不思議な魔術の研究をしているらしい。


 そう、ここなら。


 不死身の身体を研究している魔法使いだっているだろう。


 そして、打ち明ける。


 辛かった日々。


 何故か不死身の身体になっていること。


 誰にも言えず、ずっと一人だったこと。




 そうすると、



 年上のお姉さんで、泣きぼくろなんかあったりして。眼鏡もかけたり、かけなかったりして。髪は肩ぐらいまでで(ロングでも可)一人称が僕でも全然アリだし。絶対に、くん付けで名前を呼んでほしいし。絶対いい匂いもするし。巨乳のお姉さんで。泣きぼくろもあるし。



 が、こう言うだろう。



「辛かったね。もう大丈夫。私(僕)がいるから」



 そうなるだろう。

 

 きっと、ここならできる。


 絶対に。


 ずっと夢だった。

 

 


「彼女をつくる!」





テッド=グレイトデッドは思春期である。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る