第3話 一世一代の告白
「こんなところで健太くんと過ごせるなんて、ほんと幸せ」
彼女は高級ホテル最上階のスウィートルームにはしゃいでいる。
「こっちに来てごらん」
彼女の手を引き窓際に近づく。壁一面ガラス張りの窓からは、東京の夜景が一望できた。彼女は目をうっとりさせ、景色に見入っている。僕はかつらを外し彼女に向き直った。
「君に渡したいものがあるんだ」
彼女の目がきらきらと輝く。今日は交際3年の記念日だ。ポケットから黒い小さな箱を取り出して、昨晩何度も練習したセリフを言う。
「絶対に幸せにする。僕と結婚してください」
僕は総入れ歯を外しポケットにしまい箱をゆっくりと開いた。ダイヤの指輪が露わになる。2カラットのダイヤは、他のどんなものより輝いていた。
超ショートショート集 インスタントフィクション @kaiken824
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