灯台

ある夜に月の電池が切れたように

又、ある夜は北極星が海に落ちたように

更にある夜の打ち上がった鯨を憐れむような

世を詰める日々が続いても


ある夜にマッチ棒が濡れたように

又、ある夜は蝋の翼が溶け落ちたように

更にある夜の打ち上がらない花火を待つような

爪に火を点す日々が続いても


灯台だけは同じ岬にあって

どんな夜でも照らし出していた

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