六話

せーの!ぽん!



うわああ!人間だ!

なれたよ!雷蔵!



よかったなあ。ク…

うお、お前も乳が…

つうか、お前メスだったのか。



うーん…

僕小さかったから、わからないけど…

お母さんになれるかな…



おう。

いつかなれるさ。



えへへ、嬉しいなあ。

おっぱい一杯あげるんだ、僕!



おう。

一杯やれ。



やはり、獣人でしたね…




どうした?ヴァーヴ?




この世界では、獣人は玩具。

前の世界でも獣はメチャクチャにされたり、クロ様も同じ経験を…




もういい。ヴァーヴ。

クロには聞かせるな。あんだけ喜んでんだからよ。




でも現実は…




その為に俺見たいな罪人がいるんだからよ?

俺に任せろ。




やっと城の門に着いた時。

問題は起こるのじゃ。

人間で言う身分と云うものは、助力にもなり、迷惑なだけのクソにもなると言う見本じゃ。


新たに見る入城者は、どこの国も疑いは掛ける。

それは国を守る為必要であるとも言える、


姫の御帰還ともなると、騎士達は全員で迎えるじゃろうな。

そこには、頭の硬い騎士の団長もいたのじゃ…



姫様!


エリシア様!



私は無事です。

しかし…皆殺されました…



何と…

で、姫。この者らは?



私を助けてくれた方々です。

失礼なきよう…



いえ。

怪しい。

金目当てかも知れませぬ!


ん?獣人も混ざっておるな!

使い捨ての肉人形ごときが、姫を…


こやつら、引っ捕らえよ!




ブチ…

姫。俺はあんたの為に命かけたあの騎士に義理がある。

殺しはしねえが…

俺は行くぞ?




おい。おっさん。

その前に言う事あんだろ。



あああ?

お前のような下餞に何を言うか!

身分をわきまえろ。カスが!



ブチブチ…



ボコボ…ブチ…ボコボコボコ…

お前…お…おうざまに…ボコボ…


あ?ボコ…聞こえねえなあ…


ぼ…ぼ…ウ様に…

あああ?聞こえねえよ…ボコボコボコ…




すまぬ。

もうその位にしてもらえぬか?



おう。



私は副団長のアルトリウスと申す。

あなたは私の部下を見届けて頂いたのか?



おう。

あいつはタマ張って、俺に託したからよ。



で、最期は…



いい死に様だった。

同じ男なら、あんな死に方をしたいもんだ。




その一言で、救われたのじゃろうなあ。

同じ騎士、姫を命を懸けて守る。

それがどんな意味を持つのか。

崇高な騎士団の者達ならば、分かるのであろう。


皆、分からぬように涙を…

我慢しておったそうじゃ…




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