白の始まり

わしは、ティタニアウス=シュバウストス。

妖精の女王である。



お主か。

あの時助けられた人間は。


わしの八番目の側近、ヴァーヴァン・シーから聞いておる。

珍しい事だ。

あの子が私に逢えと、人間に言うとはな。

お主と何かしらの契りがあったのじゃろう、


皆までは聞かぬ。



ふむ…

あの者達と別れてからの話を聞きたいと?


本来の目的は良いのか?

まあ良い。


わしは気分が良いのじゃ。

お主のような人間がいてのう。

綺麗な心と醜悪な心は紙一重。

人間と云うものは満たされば変わり、欲すれば変わり…


幾度と因果を廻り続け、また同じ事を続けておる。


それが人間と云うものじゃが、お主はその因果を心内で経験しておるな。

そしてそれを記憶無くとも生に活かしておる。


中々おらぬぞ?

自信を持つがよい。


わしの可愛い側近が嬉しそうな顔で言うて来たのじゃ。


では聞かせてやろうかのう。


お主がまだ逢ってもおらぬ、黒い者達の始まりからのう…


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る