第3話最強美少女ロボットと村探し

ここはラボか?そんなはずはないか。

目を開けて見えたのはいつもうたた寝していた研究所ではなく、ただの木と葉で出来たぼろい小屋だった。固い地面から起き上がる。背中が痛い。藁でも敷いてあったらな。小屋から外に出ると、Sizukuが芝の上に手を広げて寝転がっていた。


「おはようございます。マスター。今日は早いですね」

「おはようSizuku。日光浴でもしているのか?」

「いいえ。私に日光浴は必要ありません。ただの充電です」

「知ってるよ。その部分を作ったのは僕だからな」

「使用量に対して充電できる量が少ないです。このままではどこかで切れます」

「そうだな。となると新しい動力源も見つけないとな」


よく見ると、Sizukuの隣でモルモットも太陽光に当たっている。

モルモットは別にそんなにエネルギーは消費してないと思うが。


「マスターも日光浴をしてみては?ビタミンdは大事ですよ」

「そうさせてもらう」


緑の芝に寝転がった。日差しは眩しいが、暖かく心地よい。

【錬金術】とはどこまで作れる能力なのだろうか。検証してみたいな。

目をつむってそんな事を考えていると、何かがお腹に乗ってきた。


「キュキュキュキュ。キュウ。キュ、キュウ」


目を開け、上体を少し起こして確認すると、予想通りモルモットがお腹に乗っかっていた。


「どうしたんだ?モルモット」

「キュウ。キュキュキュ。キュウ」

「そうか確かに【錬金術】は物質変換の能力だな」

「キュキュキュ。キュウ。キュキュ。キュウ」

「という事は材料があれば何かに変換することができるのか?」

「キュウ!キュウ」

「という事はまず何かを作る基となる素材を集めないとな」


さっそく素材を集めようと勢いよく起き上がる。

モルモットは振り落とされそうになったが、白衣にしがみついている。


「キュウ」

「あ、ごめんモルモット」


必死にしがみついているモルモットを鼻から地面に降ろした。


「そのモルモット・ハムスター・ネズミは人間と話せるんですか?」


寝転がっているSizukuが問いかけてきた。

何を言っているんだ。いつだれがモルモットと会話していたと?


「話せない。モルモットには人間の言葉が理解できても、話せないんだ」

「そうですか。それでは誰と会話していたんですか?」

「一人でしていたんだ」

「そうですか。何か一人で会話したら、何か良い効果でもあるんですか?」

「知らない。そんなの。それよりスキルを試すために素材を集めよう」

「素材集めは一人でお願いします。バッテリーの充電中です」

「曇った日は充電できないもんな」

「そうですね」


仕方ない僕一人でやるか。まずは材料を集めないとな

なんか森行くの嫌だし、そこらへんで拾ってきた薬草でポーションを作ろう。


「変換」


何も起こらなかった。

何故、何も起こらないのだろう。きっと何かを間違えているんだ。

その後も草を変えたり、場所を変えたりした。その結果、条件が変わっても何も起こらないことが分かった。ただ無駄な時間を浪費しただけだった。

一体、何が間違っているんだ。


「マスターは何かを想像して作っていますか?」


Sizukuが背後から話しかけてきた。全く気配を感じなかった。

背後を確認すると、モルモットを肩に乗せたSizukuがこちらを見ていた。


「どういう事だ?」

「錬金術とはイメージの力で物質を変換できるものです。」

「あ、そっか。てことはイメージしないとポーションなんて作れないか」

「ポーションですか。ポーションなら薬草をすり潰した物を……」

「説明は大丈夫だ。間に合ってる」

「そうですか。ではそれは後にして、村や街でも探しましょうか」

「あちこち歩きまわるのか?」

「効率が悪いです。モルモットに狩人の痕跡を探させましょう」

「狩人が近くにいるとは限らないだろう」

「昨日の夜、焚火の煙が見えました」

「なるほど」


僕らが拠点を建てたのは、見晴らしのいい場所だ。そのため周りで焚火の煙が上がっていたら直ぐわかる。しかし、本当にモルモットなんかが役に立つのか?

どこかで行方不明になりそうだ。それに魔物に食われるかもしれないし。


「モルモットで本当に大丈夫なのか?」

「一番効率的です。成功する確率は高いです」

「そうか。では任せたぞモルモット」

「キュウ」


モルモットが返事をして、森の方向へ走って行った。


「モルモットが探している間に朝食を取りましょう」

「え、また木の実かよ」

「かなり歩く可能性があります。栄養補給は必須です」

「分かったよ」

「木の実が嫌いならば虫でも焼きますか?」

「遠慮しておく」

「分かりました。すぐに用意します」


少しして、Sizukuが木の実の串刺しを持ってきた。もし、このまま村か街が見つからなかったら……。健康的に悪いな。そう思いながらも、木の実の串刺しを食べた。焚火を付けてなかったため、今日は生の木の実だった。それにしてもこの木の実は本当に安全な食べ物なのだろうか?しばらくモルモットを待っていると、森の方向からモルモットが走ってくるのが見えた。なんだろう?急いで伝えたいのか、かなりのスピードで走っている。


「Sizukuなんかモルモットの様子が変だぞ」


隣でモルモットの方向を見つめていたSizukuが身構えた。


「マスター。気を付けてください。敵性存在を確認しました」

「は?」


恐らくそうなのだろう。いや、もうそれしかない。

モルモットが魔物を引き連れてきやがった。


「キュウキューーーーー」

「ふざけるなよモルモットーー!」


モルモットが6体の狼を引き連れてきた。

やっぱりモルモットはおとりにしか向いていない。


Sizukuが2本のナイフを腰元から抜いた。

そして、狼の方へゆっくり歩いて行った。


そんなところにナイフしまってんのかよ。恐ろしいな。


「邪魔をする敵は排除します」


Sizukuは閃光のように駆け、モルモットを追いかけてる狼たちを貫いた。

狼たちは空を舞い、そのまま砂のように消えた。まるでアニメを見ているようだ。

ラボメンはこういう技とかもSizukuに入れておいてくれたのか。だとしたらナイス。これは敵に回したくないランキング第一位だな。


「マスター。モルモットが案内してくれます。早く行きましょう」

「キュキュキュウ」


モルモットがゆっくり歩いて行った。


僕もついて行くか。その前に地面に落ちている魔石を拾った。

魔石か。もしかしたら……


「マスター。早く行きましょう。村や街の捜索が最優先です」

「あぁ……分かった」


僕は少し離れたところにいる、Sizukuとモルモットを追いかけた。

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