このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(164文字)
まず、個人的に細やかな描写の美しさが印象に残る作品でした。そして段々と明らかにされていく"世界"のこと。ここがどんな場所で、人々がどういう状況であるのか、淡々と進むなかで少しずつそれがわかっていく楽しさがありました。情景を想像し、世界全体に漂う危うさや儚さ、それでも、そこに生きる人々のひたむきさや暖かさもまた確かに感じられる…そんな素敵な物語でした。