第一章
第1話 『今の主人公』
迫り来るのは巨大な拳。
俺はそれを見て、手に持っている
まともに喰らえば、かなりダメージを喰らう。
何たって相手はあの【
「ふうぅぅ⋯⋯」
大きく息を吸い、大きく息を吐く。
───昔の俺とはもう違うんだ。
と思い、俺は全身に巡らせていた魔力の
そして⋯⋯
「【
ここが勝負どころだと思い、得意魔法である【
風属性を選んだのは【
『グオォォオ!』
「⋯⋯っ!」
辺り一面に声が響き渡る。
【オーク】のスキル、【
その
そしてその直ぐ後、俺はいなすのは無理だと諦め、無理やりに回避行動へと移る。
【オーク】は汚い笑みを浮かべた。
回避行動を取ろうが、『事前にこの事を知らない限り』自分の攻撃は避けられない、と。
そうして次の場面では⋯⋯俺が【オーク】の攻撃を
『グ、グォォオ⋯⋯』
【オーク】は急所を貫かれ、起き上がる事も無く地面に横倒れ魔石と化す。
そして、いつもの馴染みである⋯⋯
『レベルが3上がりました』
『E級ダンジョン【
「はぁぁぁあ───ッ!」
⋯⋯『ステータス音』が聞こえ、
“冒険者”に成ってから、ここまでくるのに『半年』という期間が掛かった。
短い様で長い道のりだったと、今でも思っている。
だが、今日ここで確かな真実が分かった。
───今の俺は、昔の俺より確実に強くなった、と。
「これで
そう呟きならがら、俺は具体的にどこまで強くなったかを調べるべく、「ステータスオーブン」と言い、目の前にステータスを出現させた。
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Lv13→Lv15(NEW)
職業『魔剣士』
魔力「E+」→「D」(NEW)
筋力「E」→「E+」(NEW)
体力「E」→「E+」(NEW)
俊敏「E」→「E+」(NEW)
保持スキル:【未来視】
ダンジョン攻略証:F級【
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【未来視】
使用回数:一回→二回
発動条件:未来を見たい対象生物を目視する事
効果:対象生物の3秒先の未来を見る事が出来る
※時間が0時を過ぎると、使用回数はリセットされます。
──────────────────
「おぉぉぉ⋯⋯」
予想の何倍も強くなっていおり、俺は驚く。
その理由としては、大きく分けて二つ。
一つ目は、“魔力”のステータス値がDに至ったという事。
俺の職業は『魔剣士』。
つまりは、大部分の戦闘で得意魔法の【
二つ目は、スキル【未来視】の使用回数が一つ増えたという事。
先程の【オーク】との戦闘で、【未来視】を使用し危機的状況を回避し勝利した。
その【未来視】の使用回数制限が一つ増えたという事は、“魔力”のステータス値が上昇した事と同様に、様々な戦闘場面での手数が増やせる。
「⋯⋯さて、長い時間ここにいると【オーク】が出現するかもしれないし、とっととここら出るか」
───色々考えるのは後にしよう。
そう思い俺は、ステータス画面を閉じ、床に転がっていた魔石を拾って【
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次話『準備時間』
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