責任、取ってよ
お姉ちゃんの唇を求めて、キスをした。……声を聞かれないために。……と、そんな言い訳をしながら。
……私、お姉ちゃんと、キス、してる。……しかも、お姉ちゃんから無理やりじゃなくて、自分から。……なんで……いや、これは、声を聞かれないために……そういう意味で好きじゃない、ただの姉妹のお姉ちゃんに、声を聞かれないためだけに、キス、するの? 違う。……もう、何回もされてるから、感覚が麻痺してるだけだよ。……これはお姉ちゃんのことが好きとか、そういうのでは、絶対無い。……姉妹なんだから、ありえない。……じゃあ、キスなんて、やめないと。
頭ではギリギリそう考えられるのに、私の体はお姉ちゃんを求めて、止まらなかった。
今なら、お姉ちゃんの手は私の胸と、下の部分にあって、キスをやめようと思えばやめられるのに、離れることが出来なかった。
息が苦しいのに、気持ちよくて、頭がおかしくなりそう。……今やめないと、明日……いや、もう今日なのかな。……なんでもいいけど、今日、お姉ちゃんに何を言われるか、分からない。……今ならまだ、寝ぼけてたで誤魔化せるんだから、離れないと。……キス、やめないと。
「あっ、お、ねぇちゃん、な、んで……」
そう考えていると、お姉ちゃんが突然私から離れて、重なっていた唇も離れた。
「美葉、私の事、好き?」
「い、きなり、何……す、好きなんかじゃ、ない、から」
そういう意味では好きなんかじゃないから、私はそう言った。……お姉ちゃんの体と唇を求めながら。
「んっ、ふふっ、好きじゃないのに、キス、したいの?」
「したいっ、キス、したいよぉ……お姉ちゃんとキスしたいの……」
「……もちろん、私も美葉とキス、したいわよ? でも、美葉が私の事を好きじゃないなら、だめよ」
お姉ちゃんはいきなり、そんな意味のわからないことを言ってきた。
……この前、お姉ちゃん、無理やり、キス、してきてたじゃん。……ノーカウントだと、頭の中でいくら言い訳しても、キス、したことには変わりないんだから。
「美葉、私の事、好き?」
私がそう考えていると、お姉ちゃんは改めて、そう聞いてきた。
「……好きっ、好きぃ、もう、好きでいいからぁ……キス、したいの……お姉、ちゃん、が、好きに、させたんだから、責任、取ってよ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます