【動機を探るだけで容認扱い!?】岸田首相襲撃について

エテルナ(旧おむすびころりん丸)

【動機を探るだけで容認扱い!?】岸田首相襲撃について

4月15日、和歌山県の漁港で岸田首相が演説する直前に、爆発物が投げ込まれる事件がありました。

この襲撃の動機について、木村容疑者は現行政治の不満を理由に挙げました。しかし日本は民主主義を採る法治国家です。

従って――


【いかなる理由があろうとも、暴力やテロ行為による訴えは許されない】


これについては筆者も完全に同意です。

また暴力やテロはいけないことだと前提しながらも、政治が腐っているのだから自業自得だ――等の発言も、仕方がないという立ち場をとっており、模倣犯を増やすきっかけになり得るので、控えた方が良いに違いありません。

しかし……


【なぜこういう者が現れたのか】


犯行に及んだ動機、それ自体を分析するだけで「容認してる!」と糾弾されるのはどうでしょう?


前の記事にも書いたことですが、個人的に『理解できない』だとか『全然意味が分かんない』という言葉が好きではありません。例えば大量殺人鬼がいたとして――


『頭がおかしい奴など理解したくない』

『こんな非道な奴の気持ちなんて知りたくもない』


などのように思考停止してしまえば、予防策や解決策を見出すことができません。

意味が分からないと頭ごなしに切り捨てることは、事件から何も学んでいないということです。

無論、犯人に共感する必要は一切ありません。しかし理解することは必要だということです。


他にも例を挙げてみましょう。街灯もなく、夜には薄暗い通りがあったとします。そこでは性犯罪が多発していました。これについて――


「なぜ犯人は犯行に及んだのだろう?」


このように疑問を持ったとします。それに対し――


「そんなの知るか! 変態の思考など考えたくもない!」

「動機を探るなど、犯人に同情でもしてるのか? 不適切だ!」


これじゃあ何の解決にもなりません。

事実は暗所において、犯罪を試みやすくなる心理があり、つまり街灯を設置すれば今後の被害件数を減らせます。

また更に犯罪者の心理を読み解けば、痴漢注意の立札をすれば警戒するのでは?

嘘でも良いので、『〇月✕日、痴漢犯を逮捕しました。ご協力ありがとうございます』などと書いておけば、更なる抑止力を発揮するのでは?


このように、許されない事件や犯罪だからこそ、理由や意味を深く考える必要があります。

また事件に限らず、『自分の考えが絶対に正しい!』と思う事柄があっても、敢えて逆の立場になって考えて、脳内ディベートさせてみるのも良いでしょう。

というか、そこを疑問に思ったり考えないでいると、馬鹿になるのであまりお勧めできません。


ただし最後に一つ言っておくと、これらセンシティブな内容を他人に発信する者の義務として、容認している訳ではないことを強く発信する必要はあります。

それも、文章のどこかに書いておけばいい訳ではなく、タイトルや冒頭など分かり易い部分でハッキリ述べておくことが大事です。

しっかり伝えたつもりでも、大半の人は文章の中身をほとんど読みません。キャッチコピーやパンチラインだけで内容を判断します。

文章投稿サイトの場合は文字を読むのが好きな方が大半なので、それほど警戒しなくても良さそうですが、SNSでの発信は文字制限がかなり厳しい為、要約しすぎると誤解を招く可能性が高いです。


ここ最近、長めの文章が多かったので、今回はこの辺にしときます。ご読了ありがとうございました。

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